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自分とは違う感情を体験していきたい 映画「すべては君に逢えたから」 高梨臨さんインタビュー

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自分とは違う感情を体験していきたい 映画「すべては君に逢えたから」 高梨臨さんインタビュー

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「クリスマスはあまりいい記憶がないんです。誕生日が1週間前の12月17日なので、プレゼントやケーキも一緒にされてしまうんです」と悔しがる、女優の高梨臨(たかなし・りん)さん=11月13日、東京都文京区(中鉢久美子撮影)  チビっ子たちには戦隊シリーズ「侍戦隊シンケンジャー」(テレビ朝日系)のシンケンピンク役と言った方がピンとくるかもしれない。その後も「仮面ライダーディケイド」「ネオ・ウルトラQ」といった日本を代表する作品に出演を重ねた高梨臨(24)は、特撮テレビドラマで自分の立ち位置をしっかりと確立したかに見えた。しかし、人生とは分からないもの。イランの巨匠、アッバス・キアロスタミ監督(73)に見いだされた高梨は、日本を舞台にした「ライク・サムワン・イン・ラブ」で主演することとなった。作品はカンヌ国際映画祭でコンペティション部門にも出品され、内外からの評価を高めた高梨は、活躍の場を瞬く間にレッドカーペットにまで広げたのだ。

 「私は見たことのない景色を見てみたいんです」。それが高梨の仕事に取り組む姿勢であり、人生観でもあるようだ。「演技の話とは違うけれど、来年の目標で言えばフィンランドに行ってオーロラを見てみたい。基本的に冒険系なんですね。今年は長年の夢だったスカイダイビングも体験しました」。そんなエネルギーに満ちた彼女がこの度挑戦したのは、クリスマス直前のJR東京駅を舞台にした恋愛物語「すべては君に逢えたから」(本木克英監督)だ。

 本作は来年12月に東京駅が開業100周年を迎えることを記念して製作された。東京駅を舞台に、男女10人が織りなす人間模様を描いた、6つのオムニバスストーリーで構成されている。

 王子様を見ている?

 あまりラブストーリーに縁がなかったという高梨が登場するのは「Story1 イヴの恋人」。ウェブデザイン会社社長の黒山和樹(玉木宏)は、過去の苦い経験から、自分に近づいてくる女性は皆「金目当て」だと思っている。唯一の趣味といえば自宅でのDVD鑑賞。一方、佐々木玲子(高梨)は、女優の夢を諦め、クリスマスイブに養護施設で上演する劇を最後に故郷へ帰ろうと悲壮な決意をしている。独身で恋人がいない点を除けば、まるで違う世界に身を置くこの2人が、黒山が行きつけのおしゃれなレストランで出会い…。

 12年に復元された3階建ての丸の内駅舎、東京ステーションホテル、新幹線などで撮影は行われた。高梨がもともと東京駅に抱いていたイメージは「新幹線に乗るためによく使う場所かなあ。オフィス街の中にあって、社会人、大人が集うところ。遊ぶ対象ではなかったかな」。だがロマンチックに演出された東京駅で撮影を重ねるうちに、すっかり印象が変わってしまったという。JR東京駅の八重洲口には、船の帆をイメージした白い屋根(長さ230メートル)で覆われた商業施設「グランルーフ」もオープンしたばかり。「駅を楽しむために遊びに来てみたくなりました」

 さて、憧れていたロマンチックなシーンにはどう臨んだのか? 「玲子は普通の飾らない女の子なので、フラットに役柄に入ろうと思いました。自然で素朴な感じが出せればと。監督も伸び伸びと演じさせてくれて、玲子の感情の振れ幅を、自分に任せてくれました」。冒険系の高梨らしく、イケメン玉木を相手にしても「王子様を見ているみたい」と冷静そのもので、物おじせず、自然で温かみのある演技を披露してみせた。

 「今はいろんな人物を演じて、自分とは違う感情を体験していきたい」と胸を弾ませる。シンケンピンクが見せる、次なる変身が楽しみだ。11月22日、全国公開。(文:高橋天地(たかくに)/撮影:中鉢久美子/SANKEI EXPRESS

 ■たかなし・りん 1988年12月17日、千葉県生まれ。2008年「GOTH」の主役に抜擢。イランの名匠、アッバス・キアロスタミ監督の12年「ライク・サムワン・イン・ラブ」(カンヌ国際映画祭コンペティション部門出品)で主演。このほか、12年「生きてるものはいないのか」「今日、恋をはじめます」など。

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