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アップル、中国攻略へ“最終兵器” それでも苦戦? 理由は「価格差」

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アップル、中国攻略へ“最終兵器” それでも苦戦? 理由は「価格差」

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中国の主要都市  米アップルと中国最大の携帯通信会社、チャイナ・モバイル(中国移動通信)は12月22日、「iPhone(アイフォーン)」の販売で合意したと発表した。25日から予約を受け付け、来年1月17日から販売を始める。

 アップルは、世界最多の約7億6000万人の契約者を誇る中国移動と手を握ることで、韓国のサムスン電子や中国地場メーカーから大きく出遅れている成長市場での巻き返しを目指す。ただ、割高な価格設定やアイフォーン向けアプリの不足など課題はなお多く、不振から脱するのは簡単ではなさそうだ。

 交渉6年で合意

 「中国は極めて重要な市場であり、中国移動との提携は世界最大の通信事業者の顧客にアイフォーン利用の機会を提供するものである」

 アップルCEO(最高経営責任者)のティム・クック氏(53)は販売合意を歓迎する声明を発表。中国移動の奚国華会長も「アイフォーンは全世界で愛されており、潜在的ニーズを含め、多くの顧客がアイフォーンを待っている」と、期待を示した。

 発表によると、販売するのは、アップルが今年9月に投入した最新機種の「5s」と廉価版の「5c」。中国の三大携帯通信会社のうち、2位の中国聯通と3位の中国電信はすでにアイフォーンを取り扱っていたが、アップルと中国移動の交渉は約6年にも及んだ。

 中国移動が独自提供している第3世代(3G)ネットワークへの対応をめぐり対立していたが、新たに提供される第4世代(4G)ネットワークへの対応にめどが立ち、合意にこぎ着けた。強気だった中国移動側も、2013年12月期決算で10年ぶりの減益が見込まれており、歩み寄ったようだ。

 サムスン「圧勝」

 中国市場では米グーグルの基本ソフト(OS)「アンドロイド」を搭載したサムスンなどの端末が圧倒的なシェアを握っており、調査会社カナリスによると、アップルの今年7~9月期のシェアは6%の5位に甘んじている

 さらに米調査会社ガートナーによると、世界市場でのアイフォーンの7~9月期のシェアも前年同期から2.2ポイントも低下し12.1%に低迷。32.1%のサムスンに大差をつけられた。

 成長神話に陰りが出てきたアップルにとって中国市場の攻略は最大の課題。今回の提携を、従来の高品質路線をかなぐり捨て投入した廉価版に続く、“最終兵器”と位置づけている。米金融大手モルガン・スタンレーのアナリスト、ケイティ・ハバティ氏もリポートで、来年のアイフォーンの販売台数が1200万台増える可能性があると指摘した。

 ただ、苦戦が続くとみるアナリストも少なくない。最大の理由は割高な価格設定。中国移動は詳細な価格をまだ明らかにしていないが、高い利益率を維持したいアップルが大幅な値引きに踏み切る可能性は小さい。

 5sは871ドル(約8万7000円)、5cは739ドル(約7万4000円)に設定されており、中国で100ドル以下が中心のライバル勢の端末との価格差は埋まりそうもない。

 さらに、「中国ではアンドロイド端末向けの海賊アプリを提供するサイトが多数あり、アイフォーンがユーザーを獲得するのは難しい」(業界関係者)との指摘も出ている。(SANKEI EXPRESS

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