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経済
2兆円アプリ「10億人つなぐ」 FBザッカーバーグ氏が反論
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スペイン・カタルーニャ自治州バルセロナ 米フェイスブック(FB)による巨額のお買い物が、IT業界の話題をさらっている。FBが190億ドル(約1兆9400億円)を投じて買収するのは、仲間同士でメッセージや写真を無料でやりとりできるアプリを開発した米国の「ワッツアップ」という会社。約4億5000万人の利用者がいるが、アナリストやIT業界からは買収額への疑問の声が噴出。これに対し、FBの最高経営責任者(CEO)、マーク・ザッカーバーグ氏(29)は2月24日、「偉大な企業であり、われわれと素晴らしくフィットする」と、猛反論。途上国でのインターネットのさらなる普及に貢献すると宣言した。
「このアプリは、われわれが目にした中で最も魅力的なものだ。利用者の7割は毎日使っており、将来このアプリが10億人の人々をつなぐだろう」
若きFBのカリスマは、スペインのバルセロナで開かれている世界最大の携帯端末見本市「モバイル・ワールド・コングレス」の会場にさっそうと登場。今月(2月)19日に発表した2兆円もの巨額買収案件について、自信満々で説明した。
ワッツアップのヤン・クームCEOも同じ会場で、メッセージや写真に加え、4月から無料通話サービスを始めると発表し、さらなる利用者拡大に意欲を示した。
スマートフォンにダウンロードし、仲間同士が無料でメッセージや写真を交換したり、通話したりできるアプリは、世界中で利用者が急増。その成長性から争奪戦に発展している。
今月(2月)14日には楽天が、ロシアや米国で約2億8000万人が利用する通話アプリのバイバー・メディアを9億ドルで買収すると発表。東京に拠点を置き、メッセージや写真の交換と通話もできるLINEは世界で3億4000万人が利用しているが、25日にソフトバンクが買収を検討していると一部で報じられた(当事者はいずれも否定)。
FBが買収するワッツアップは2009年にサービスを開始。使い勝手の良さから、現在も毎日100万人ずつ利用者が増えているという。若者のFB離れが指摘されるなか、新たな成長力を取り込むのが、買収の狙いとみられる。
だが、あまりの巨額さに世界中が驚いた。米著名アナリスト、ロブ・エンデール氏は米経済専門局CNBCに「狂った金額で、かなりの割高だ」と断言。英コンサル会社のマイケル・バクレンコ氏もロイター通信に、「LINEなどのライバルはより革新的なビジネスモデルを有しており、技術革新の速度も速い」と疑問を呈した。
米CNNテレビ(電子版)は「190億ドルで何が買えるか」を特集。親露政権が崩壊したウクライナの借金の肩代わりや空母4隻などを挙げ、ザッカーバーグ氏の好物のホットドッグなら126億個分と伝えた。
これに対し、ザッカーバーグ氏は新興国や途上国ではネットを利用できない人がなお多くいると指摘。「このアプリが普及すれば、全世界で1億6000万人が貧困から脱出できる。医療情報へのアクセスも容易になり250万人の命が救える」と、買収の意義を強調した。
29歳で316億ドルもの資産を築いた希代の企業家は、本心からバーゲンセールでの安い買い物だと考えているようだ。(SANKEI EXPRESS (動画))