SankeiBiz for mobile

W杯ブラジル大会まで3カ月 こけら落とし後も工事は続く

ニュースカテゴリ:EX CONTENTSのスポーツ

W杯ブラジル大会まで3カ月 こけら落とし後も工事は続く

更新

ブラジル・マナウス、リオデジャネイロ、サンパウロ、クリチバ、ポルトアレグレ  ≪あと半分、まだ半分…座席設置に大忙し≫

 冬のスポーツの祭典「ソチ冬季五輪」が終わり、次のビッグイベントである「サッカーワールドカップ(W杯)ブラジル大会」の開幕(6月12日)まで、いよいよ3カ月を切った。史上最多5回の優勝を誇る南米最大の「サッカー王国」での開催とあって、盛り上がりそうだ。3月10日には開催都市の一つであるブラジル北部マナウスのスタジアムのこけら落としが行われ、地元チームによる親善試合が繰り広げられた。

 ブラジル大会の開催都市はリオデジャネイロやブラジリア、サンパウロなど12都市。そのうちのマナウスは、北部アマゾナス州の州都。1年を通して高温多湿で平均気温が30度を超えるため熱帯気候だ。今回こけら落としを行った「アマゾニア・アリーナ」は改築によって4万4500人収容のスタジアムに生まれ変わった。しかし、全てが完成していないため、試合では会場の一部しか使用されなかったという。このスタジアムは昨年(2013年)12月に完成予定だった。

 ここにきて建設工事の遅れや大会運営の不安などを指摘する声が高まっている。工事の遅れが最も深刻なのは南部クリチバの競技場「バイシャダ・アリーナ」。クリチバ中心部の高級住宅街で工事が進むが、国際サッカー連盟(FIFA)が開催会場からの除外を一時検討した、いわく付きの競技場だ。

 敷き詰められたばかりのピッチの芝目の背後にそびえるバックスタンドにはまだ座席は取り付けられていない。4試合を行い、約4万3000人を収容する予定だが、設置が終わったのは約2万席で半分にも満たない。競技場の通路は舗装中で、外壁の設置作業が続く。隣接する駐車場や管理棟は鉄骨の組み立てさえ終わっていない有様だ。FIFAへの引き渡し期限は5月22日という。

 このようにW杯ブラジル大会で使用される12会場のうち、クリチバの競技場のほか、新築中のサンパウロと改築しているクイアバの3競技場がいまだに使用できないのが現状だ。競技場の建設現場では建設作業員が犠牲になった悲惨な事故も起きている。さらに交通網などのインフラ整備の遅れも指摘される。

 6月12日の開幕戦では、サンパウロの「サンパウロ・アリーナ」でブラジルがクロアチアと対戦する。(EX編集部/撮影:AP、ロイター/SANKEI EXPRESS

ランキング