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【エコノナビ】ゲームでリアルな課題を解決
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米カリフォルニア州サンフランシスコ 世界中のゲーム開発者らが一堂に会する「ゲーム・デベロッパーズ・コンファレンス(GDC)2014」が、3月17日から21日まで米国サンフランシスコで開かれ、今年のゲーム・オブ・ザ・イヤーに「ザ・ラスト・オブ・アス」が選ばれた。プレイステーション3のゲームとして開発されたもので、世界で約600万本超が売れているそうだ。
ストーリーは、謎の寄生菌のために絶滅の危機に瀕(ひん)した世界で、少女を連れたアウトローの中年男が他の生存者らと協力しながら寄生菌の脅威と戦うというものだ。
ゲームをしない人からみれば、オタク向きの単純なストーリーに映るかもしれない。だが、このところのゲームの進化は著しく、奥が深い。プレーヤーの思考や選択次第で刻々とゲームの世界の状況が変化し、ハラハラドキドキ、さまざまなシミュレーションが楽しめる。オンラインで世界中の数百万人の人と同じゲームの世界を共有し、同じ目標を達成するようなゲームも登場しており、友情や絆を現実世界よりもリアルに感じる人も少なくないのだという。
こうしたゲームソフトの高度化を踏まえれば、ゲームを現実の世界で山積する課題解決に役立てない手はない。ゲーム開発者で「幸せな未来はゲームが創る」(早川書房)の著者、ジェイン・マクゴニガル氏は、人類が直面する喫緊の課題解決のために大規模なクラウドゲームは有効ではないか、と説いている。
ゲームではさまざまな実験を試すことができ、長期的思考を養うにはうってつけという専門家も少なくない。創造主の気分が味わえる「ゴッドゲーム」のほか、市や町の首長として予算を執行し、自治体運営を行う「シムシティ」などのゲームはぜひ、政治家らにトライしてほしいと思う。
クリミアをめぐるロシアの仕掛けるチキンゲームは緊迫の度を増している。これもまず、オンラインの仮想空間の世界で米欧露に日中の首脳らが参加してさまざまなシミュレーションを試みることを勧めたい。(気仙英郎/SANKEI EXPRESS)