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身をもって青春の甘酸っぱさ知りました 映画「大人ドロップ」 池松壮亮さんインタビュー
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高校生にもなれば一度は経験もしたであろう異性へ抱く微妙な恋心。飯塚健監督(35)は新作「大人ドロップ」(樋口直哉原作)で、静岡県・伊豆エリアを舞台に甘酸っぱさ全開の高校生たちの姿を活写した。主演の池松壮亮(そうすけ、23)は「僕も身をもって青春の甘酸っぱさを知ったので、出来上がった作品を見ても、あまり気持ちよくはなかったですよ。でも、そこがこの映画のいい部分なんだなあとも思えました」と振り返った。
「クラスメートの入江杏(橋本愛)と話す機会を作ってほしい」。高校生最後の夏休みを前に、浅井由(池松)は、親友の岡田始(前野朋哉)からデートのセッティングを頼まれる。頭はいいが、口下手のため、いじめられっ子だった岡田は、当然ながら入江とうまく話せない。浅井は入江と小学校時代からの幼なじみだけに、2人の仲を取り持つことなど朝飯前と、岡田は踏んだようだ。ところが、いよいよデート当日、浅井は入江を激しく怒らせてしまい…。
池松はすでに大学を卒業した立派な社会人。撮影中に「きれいな部分をすくい取った青春映画など、僕にはもう無理なのではないか」と考えたこともある。気持ちが浅井役に追いつかないばかりか、自分の高校時代はそれほどきれいなものでもなかった。「映画よりも、もっと泥臭くて、振り返ればとても恥ずかしく、客観的にみれば痛かった。でも、そんなことを忘れるくらい楽しいものでもあったから、この作品に打ち込めるよりどころがあったんです」。本作で描かれる三角関係については「経験したことがないけれど、どんな感じなのかはなんとなく分かっているつもり。決しておろそかに演じてはいませんよ」と強調した。
「大人とは何か?」は本作のテーマ。池松は「僕も答えを見つけるつもりで撮影に臨みましたが、結局は分かりませんでした。まあ、人それぞれその答えが違うからこそ、青春映画なんですよね。簡単に分かってしまったら、青春映画は1本あれば構わないということになってしまいます」と吐露した。「男女の友情は成り立つか?」もテーマの一つだが、「よく言われる問いかけですが、僕としては、友達になれるのならば、友達でいればいいじゃんという感じです。成り立ってもいいものだと思いますよ」と答え、自然体での付き合い方を勧めた。
映画だけをみても、今年から来年にかけて8本に出演。テレビドラマや舞台にも出演と、超売れっ子だ。何か心境に変化も起きたのではないだろうか。実は池松は大学を卒業後、「1~2年、真剣に演技に打ち込んでみて、いい成果を残せなかったら、俳優を辞めてしまおう」と覚悟を決めていた。「この1年、それは必死に取り組みましたよ。結果的には、いい作品にタイミング良く出合えました。でも、1年が終わったらものすごく空っぽになってしまって。よくよく考えてみると、自分のためだけに演技に打ち込んでいて、たった1年で疲れてしまった。それはまずいなあと思って、今年は自分の欲などどうでもいいから、誰かのために演じていきたいと思っています」。公開中。(文:高橋天地(たかくに)/撮影:大山実/SANKEI EXPRESS)
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