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暴走中国 外圧で「針路変更」 南シナ海掘削撤収 予定前倒し

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暴走中国 外圧で「針路変更」 南シナ海掘削撤収 予定前倒し

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中国の石油掘削施設=2014年7月16日現在、南シナ海のパラセル(中国名・西沙)諸島  中国外務省の洪磊(こう・らい)報道官は7月16日、中国の大手国有企業、中国海洋石油のグループ会社が、ベトナムと領有権を争う南シナ海のパラセル(中国名・西沙)諸島付近で行っていた石油掘削活動を15日に完了したと発表した。中国は5月に掘削を開始した当初、パラセルでの石油掘削活動を8月中旬まで継続する意向を示しており、約1カ月も前倒しして撤収したことになる。東シナ海と南シナ海における中国の「暴走」ともいえる対外強硬姿勢には日米や近隣諸国が足並みをそろえて強く非難しており、今回の経緯は中国が国際社会からの圧力で施設の撤収を強いられたことを印象づける結果となった。

 ベトナム沿岸警備隊のゴ・ゴック・トゥー副司令官は16日、掘削施設が撤収され、中国の海南島方面に移動していると確認した。移動は15日夜に始まり、16日朝までに約60キロ進んだ。中国が周辺に展開していた公船なども移動しているという。

 中国国営新華社通信は、掘削施設が今後、海南陵水計画と呼ばれる作業に使われる予定と伝えた。陵水は海南島の沿岸部に位置する場所とみられ、他の国が領有権を主張する場所ではない可能性が高い。

 ベトナム挑発の代償

 中国がパラセルでの石油掘削施設を予定より約1カ月も前倒しして撤収したことには、対外強硬姿勢を続ける中国としては珍しく、「外圧」に配慮した、との見方が広がっている。

 中国がパラセルで石油掘削施設を設置したのは5月2日。直前の4月末にはバラク・オバマ米大統領(52)がアジアを歴訪し、中国の対外拡張路線を牽制(けんせい)するため、日本とフィリピンとの軍事的連携の強化を確認していた。

 米国との本格的な対立を避けたい中国は、日本とフィリピンに手を出しにくくなったため、あえてベトナムと対決を演じることで、国内に向けて「毅然(きぜん)とした対外姿勢」をアピールする狙いがあったとみられる。同時に、米国や東南アジア諸国の反応を試したい思惑もあったと指摘される。

 しかし、中国はこの挑発行為で大きな代償を払った。ベトナム各地で反中デモが発生し、中国系工場が放火されるなどして流血の事態にもなった。ベトナムは国際世論の支持を取り付け、東南アジア諸国は対中不信を高めた。さらに、これまで中越の対立に中立的な態度を取ってきた米国がベトナム支持を明確化したことも、中国にとって大きな誤算だったといえる。

 批判高まる可能性

 (7月)10日には米上院本会議が東シナ海と南シナ海における中国拡張主義を非難する決議を採択。8月10日にミャンマーで開かれる東南アジア諸国連合(ASEAN)地域フォーラム(ARF)閣僚会議では、加盟国に親中国派を抱えるはずのASEANが日米と連携し、中国批判の圧力が高まる可能性があった。

 実は、習近平政権になってから、中国は外交で同じような誤算を何度も繰り返してきている。尖閣諸島(沖縄県石垣市)への日米安保の適用について、米大統領は長年曖昧な態度を取ってきたが、習政権の強硬な対日姿勢を受け、態度を明確化することになった。

 中国の対外強硬姿勢の背景には、経済低迷や環境悪化などへの国民の不満を外に向けさせたいという内政上の思惑がある。北京の国際問題専門家は「今回は国際社会の圧力で一時引いたが、習政権は同じ政治手法をとり続ける限り、すぐに別の周辺国とトラブルを起こすだろう」と話している。(SANKEI EXPRESS

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