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【欧州サッカー】W杯戦士 再出発 トップ下は俺 香川が本領

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【欧州サッカー】W杯戦士 再出発 トップ下は俺 香川が本領

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ハビエル・エルナンデス(メキシコ、右)のゴールをアシストし、抱き合って喜ぶ香川真司。ともにW杯では満足のいく活躍を果たせず、ここから次の歩みを始める=2014年8月2日、米ミシガン州アナーバー(AP)  サッカー・ワールドカップ(W杯)ブラジル大会を失意のままに終えた香川真司(25)にとっては、再スタートを期する試合となった。欧州のクラブを集めて米国で開催されたインターナショナル・チャンピオンズ杯。

 香川のマンチェスター・ユナイテッド(イングランド)は8月2日、レアルマドリード(スペイン)と対戦。後半16分にスペイン代表MFマタに代わってトップ下に入った香川は35分、反転してのドリブルから絶妙のクロスを左サイドのメキシコ代表FWハビエル・エルナンデスに合わせ、3点目のゴールを演出した。自ら左足のミドルシュートも放ち、さらに追加点演出の惜しい場面も作った。

 マンUの新指揮官はオランダを率いてW杯を制したファンハール。かねて「このチームには10番(トップ下)の選手が多すぎる」と苦言を呈してきたが、試合後は珍しく選手の個人名を挙げ「あのゴールはシンジ・カガワの素晴らしいおぜん立てによるものだ」と絶賛した。

 香川については、ボランチやサイドアタッカーとしての起用も口にしてきた指揮官だが、この日はトップ下での活躍に満足げだった。

 それでも香川には、移籍の臆測が止まらない。古巣のドルトムント(ドイツ)はワツケ社長が8月3日付ビルト紙のインタビューで「今季の補強は終了した。香川の復帰については、全く根拠のないものだ」とわざわざその可能性を否定した。

 一方で8月1日付の英紙デーリー・エクスプレスは、アトレチコ・マドリードのシメオネ監督が香川の獲得を希望し、移籍金1400ポンド(約24億3000万円)でのオファーを準備していると報じた。

 移籍をめぐる臆測は選手としての価値を認められているからこそ、ともいえるが、香川自身はあくまでマンUでの成功を再出発の第1目標としている。

 ファンも、トップ下で自在にルーニーやファンペルシーを操る香川の姿を見たい。

 ≪夢を追い続ける「侍」 国内外で存在感≫

 インターナショナル・チャンピオンズ杯が行われた米国は、長くサッカー不毛の地と呼ばれてきた。だが1994年にW杯を開催し、ブラジルW杯でもクリンスマン監督率いる代表チームが優勝国ドイツを最後まで苦しめるなど、サッカー好きを増やしつつある。

 もともとヒスパニック系の住民が多く、サッカーが根付く環境はある。米ミシガン州アナーバーで行われたマンUとレアルの1戦には、米サッカー史上最多となる10万9318人の観衆を集めた。

 大会には、インテル・ミラノやACミランも参加している。8月2日のローマ戦ではインテルの長友佑都(ゆうと、27)がキャプテンマークを巻いて右のアウトサイドで出場。後半24分には右足のボレーで豪快なゴールを挙げて相撲の四股を踏むパフォーマンスまで披露した。イタリアの地元紙もそろって高評価を与え、トゥット・スポルト紙は「W杯の失望は過去の思い出となった」と報じた。

 心配なのは本田圭佑(けいすけ、27)か。チームも大会3戦全敗で、自身も2日のリバプール戦に途中出場したが、ボールを失うシーンも多く、8月3日付の情報サイト、ミラン・ニュースは「頼む。ホンダから10番を剥奪してくれ」と伝えた。

 他のW杯戦士も再スタートを切っている。スイスリーグではバーゼルに移籍した柿谷曜一朗(かきたに・よういちろう、24)がトゥーン戦の途中出場でデビューし、特長である裏への飛び出しでチャンスを作るなど存在感をみせた。

 ベルギーリーグではスタンダールの川島永嗣(えいじ、31)がPKを止めるなど3-2の勝利に貢献し、マン・オブ・ザ・マッチに選ばれた。欧州リーグではマインツ(ドイツ)の岡崎慎司(28)がアステラス(ギリシャ戦)で決勝点を奪った。

 国内でも2日のJリーグではG大阪のベテラン遠藤保仁(やすひと、34)が1ゴール1アシスト。同じボランチで次代を担う鹿島の柴崎岳(がく、22)も1ゴール1アシストと譲らない。

 W杯は終わったが、サッカーは続く。(EX編集部/撮影:AP、共同/SANKEI EXPRESS

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