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「全ての選手にドア開放」アギーレ流W杯への道 代表監督就任会見

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「全ての選手にドア開放」アギーレ流W杯への道 代表監督就任会見

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サッカーの日本代表監督に就任し、記者会見で笑顔を見せるハビエル・アギーレ氏=2014年8月11日午後、東京都港区高輪(古厩正樹撮影)  ≪若手起用で競争目指す≫

 サッカー日本代表のハビエル・アギーレ新監督(55)が8月11日来日し、日本サッカー協会と正式契約を結んだ。記者会見したアギーレ氏は、自らのサッカー哲学について「とてもシンプル。とにかくたくさん走って、いいプレーをして、そして勝利を収める」と勝利への執念をにじませた。ワールドカップ(W杯)ブラジル大会で1勝もできないまま1次リーグ敗退という屈辱を味わった日本代表。再建を託された新指揮官は「2018年のW杯ロシア大会はぜひ出場したい」と抱負を語った。

 南ア後もオファー

 監督を引き受けた理由について、アギーレ氏は「(2010年の)南アフリカW杯後にオファーを受け、その後も私の仕事をみてくれた真摯(しんし)さを感じた」と述べ、「日本にはレベルの上がっているリーグがあって欧州でいい仕事をしている選手も多い」と世界を相手に戦うことに自信をみせた。

 選手、監督として輝かしいキャリアを誇る。母国開催だった1986年メキシコW杯で8強進出に貢献し、指導者転身後の2002年日韓、10年南アフリカ両W杯では母国を16強へ導いた。世界最高峰のスペインリーグでも強豪アトレティコ・マドリードなどを率いた実績は申し分ない。

 母国や欧州では激情家としても知られ、武勇伝には事欠かない。メキシコ代表を率いていた09年に、タッチライン沿いでプレーしていた相手選手を蹴っ飛ばして退席処分を受けたのは有名だ。しかし、この日の会見でみせたように、質問の意図をしっかりと理解し、自分の言葉でよどみなく答える冷静さも兼ね備えている。

 ラテン気質のメキシコ人らしさものぞかせる。とにかく人と接するのが大好きで、来日時の空港でサポーターから「アギーレ」と声を掛けられると笑顔で対応。「旅行が好きなので、日本でもいろいろな場所でいろいろな人と交流を持ちたい」と目を輝かせた。

 国背負う責任を

 選手選考については、自らの目でじっくりと見極めていく方針だ。まず、「全ての選手に対してドアは開かれている。日本、外国でプレーしている選手みんなだ」と答えたところは、いかにも“闘将”らしい。

 次に求めたのはハートの強さだ。「国を代表して戦うことを常に肝に銘じ、責任を果たしてほしい」。1次リーグで敗退したブラジルW杯の後、日本代表に欠けたものの一つとして挙げられた要素が、続く4年間には必要不可欠だと位置づけた。

 将来性がある選手の起用を積極的に行う考えも示した。全選手が代表入りを目指して競争し、過去の代表歴や海外組という実績も優遇されない。前任のアルベルト・ザッケローニ監督(61)が、チームの背骨になる選手を固定した方法とは対照的になりそうだ。

 会見に同席した日本サッカー協会の大仁邦弥(だいに・くにや)会長(69)は「アギーレ氏は経験、実績ともに日本代表の監督として最適」と信頼を寄せ、交渉に当たった原博実(はら・ひろみ)専務理事(55)は「彼をうまくサポートしていきたい」と全面的にバックアップする考えを示した。

 アギーレ氏は今週末からJ1の視察を始める予定で、初陣となる9月5日に札幌市で行われるウルグアイ戦、9月9日に横浜市で行われるベネズエラ戦のメンバー選考に当たる。(SANKEI EXPRESS

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