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白人警官の起訴 大陪審で審理へ  黒人少年射殺 外出禁止は解除

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白人警官の起訴 大陪審で審理へ  黒人少年射殺 外出禁止は解除

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米ミズーリ州セントルイス郊外ファーガソン  米中西部ミズーリ州セントルイス近郊ファーガソンの警察官による黒人少年射殺事件で、ジェイ・ニクソン州知事(58)は8月18日、2日前に出した夜間外出禁止令を解除すると発表した。一方、18日から州兵を新たに展開させており、治安回復への効果を見極める考えだ。

 AP通信によると、ミズーリ州の大陪審は、被害者のマイケル・ブラウンさん(18)を射殺した白人警察官ダレン・ウィルソン氏を起訴するかどうか近く審理する。ブラウンさんの母親は18日のテレビ番組で「警察官を逮捕し、説明責任を果たせば(混乱状態の)改善につながる」と語った。

 オバマ大統領は記者会見で、エリック・ホルダー司法長官(63)を20日に現地に派遣すると表明。「住民と警察の認識には大きな隔たりがある」として、捜査の結論が出るまで予断は控えたいと述べた。

 住民の抗議活動は18日夜も続き、数百人が参加した。警察は目抜き通りへの車両進入を認めず、デモ隊も歩道だけを歩くように厳しく規制した。深夜には催涙ガスも使った。現場近くには州兵らが軍用車両で到着し、不測の事態に備え待機した。

 遺族側の弁護士は18日記者会見し、地元警察とは別に調べた検視結果を発表した。1発は頭頂部に当たっており、前かがみのような姿勢で撃たれたとみられる。弁護士は無抵抗の状態を示唆すると説明し、直ちに警察官を逮捕すべきだと訴えた。(共同/SANKEI EXPRESS

 ≪「公正な裁きを」…一方で住民に広がる無力感≫

 米ミズーリ州セントルイス近郊ファーガソンの黒人少年射殺事件は、白人警察官を刑事訴追できるかが今後の大きな焦点だ。住民は射殺した警察官への適切な法の執行を求める。ただ、訴追しても根深い人種対立の本質的な解決とはならず、住民の間には無力感も広がっている。

 白人検事

 地元住民が懸念しているのは、セントルイス郡当局による射殺事件の捜査だ。郡当局はファーガソン市警の上部組織。AP通信によると捜査責任者のマクロク検事は白人で、12歳の時、警察官だった父親が黒人に銃で撃たれ殉職した。

 過去には、薬物事件の捜査で容疑者の黒人2人を射殺した警察官2人を訴追しなかったこともある。この容疑者が乗っていた車には21発の銃弾が撃ち込まれていた。今回の事件捜査から外すよう求める声は強いが、本人は「ずっと公正にやってきた」と応じていない。

 当局不信

 被害者のマイケル・ブラウンさんの頭部などに向け、少なくとも6発を撃った白人の警察官ダレン・ウィルソン氏は警察の保護下にあるとみられ、情報はほとんど漏れてこない。米メディアも接触できていないようだ。

 白人主体の市警は、被害者の落ち度とされる点については多弁だが、身内になると口を閉ざす-。住民はそう見ている。白人のファーガソン市警本部長の治安指揮権は、ニクソン州知事の指示で州高速道路警察隊の黒人隊長に移った。マクロク検事は「不名誉だ」と地元メディアに憤った。

 連邦政府も地元当局を信用していない。連邦捜査局(FBI)は捜査員40人を投入したほか、黒人初の司法長官ホルダー氏は司法省独自の検視を指示し、自らも20日現地入りする。「地元の捜査を待つのが仕事」(ゴンザレス元司法長官)の司法省としては異例だ。オバマ大統領も密に連絡を受けている。

 残る対立

 しかし、捜査が順調に進み、刑事責任が問えたとしても、白人と黒人の対立は残る。地域が抱える貧困や犯罪率の高さも変わらない。

 ブラウンさんが射殺された現場には8月18日昼すぎ、公民権運動指導者のジャクソン師が訪れた。黒人社会の有力者だけに人気は高い。「手を上げたら撃つな」。ジャクソン師が叫ぶと、集まった全員が同調した。

 17日も同じ黒人指導者のシャープトン師が現地で集会を開き、会場の教会は数百人でいっぱいになった。「公正な裁きを実現させよう」。そんな訴えに参加者が沸いた。

 しかし、勢いの良い言葉に違和感を持つ人も。参加した女性の一人は地元紙に「(シャープトン師は)具体的には何も語っていない」と嘆いた。(共同/SANKEI EXPRESS

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