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「大麻使用」 台湾俳優カイ・クー容疑者、涙の謝罪
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繁華街の飲食店に掲げられた「拒絶毒品(麻薬)」の看板=2014年8月26日、中国・首都北京市(共同) 大麻を使用した疑いなどで中国・北京の警察当局に身柄を拘束されていた台湾の俳優・歌手、カイ・クー容疑者(23)が29日に釈放され、北京市内のホテルで両親と謝罪会見を行った。AP通信などが29日深夜に報じた。
クー容疑者は「私は間違いを犯した。この問題で弁解の余地はない」と陳謝。「自分の名前が持つ重みを理解せず、ファンの期待を裏切った。正直、こんな大ごとになるとは思わなかった」と涙を浮かべた。
クー容疑者は14日、違法薬物使用の疑いで身柄を拘束された。香港出身の俳優、ジャッキー・チェンさん(60)の長男で俳優・歌手のジェイシー・チャン容疑者(31)も同時に拘束され、2人とも尿検査で薬物の陽性反応が出たほか、大麻の使用を認めている。
29日に日付が変わった深夜午前0時過ぎ、北京市内の拘置所から釈放され、出迎えた家族と一緒にホテルへ向かった。拘置所周辺には27日夜から200人を超すメディアが待機。AP通信によると、クー容疑者はホテル内まで追いかけてきた記者を振り切ろうとして、エレベーターに乗り込む前に殴り合いになりそうになった。
クー容疑者は2012年に初主演した映画「あの頃、君を追いかけた」で台湾の最優秀新人賞や中国映画メディア大賞を受賞。甘いマスクと演技力で一躍人気スターに登り詰めた。
30日には台湾に到着。警察の取り調べを受けたうえで、薬物更生施設に送られるとみられている。(SANKEI EXPRESS)
≪中国の麻薬犯罪深刻 若者むしばむ≫
中国で麻薬犯罪が深刻化している。最高人民法院(最高裁)によると、今年1~5月に全国の裁判所が扱った「毒品(麻薬)犯罪」は約4万3000件で前年同期の3割増。約9200人が懲役5年以上の実刑判決を受けており、これも前年同期比で2割増となった。
特に増えているのが若者の麻薬使用だ。中国紙によると、北京では今年、麻薬使用の疑いで7800人余りが拘束され、うち7割が35歳以下だった。
8月には香港の映画スター、ジャッキー・チェンさんの息子、ジェイシー・チャン容疑者も大麻使用の疑いで北京市内の自宅で拘束された。ジャッキーさんは2009年、中国政府の反麻薬キャンペーンのイメージ大使を務めたこともあるが、息子の大麻使用歴は8年に及んだ。ニュースは各紙1面を飾った。
若者の麻薬使用増加の背景には、インターネット販売で麻薬の入手が容易になったこと、夜の街で麻薬販売網ができていることがある。北京の警察は5月、繁華街の三里屯で麻薬を売っていた外国人30人を拘束した。
目抜き通りの長安街で話を聞くと、西安出身の自営業男性(36)は「大都市ではどこでも麻薬が広がっている。小金を手にすると新奇なものを試したくなるのが人間」と分析。広東省から旅行中の陳奕宏さん(22)は「仕事や勉強で社会的圧力が大きいから麻薬に手を出す」と話した。
当局は麻薬使用に厳罰で臨むなど取り締まりに躍起だが“特効薬”は見いだせていない。政府高官は「売春や麻薬は合法化し管理を強化すべきだという案が何回も政府内で出た」とした上で「アヘン戦争の歴史がある中国はそんなことはできない、と合法化案は毎回却下されている」と説明する。
中国で麻薬運搬罪に問われ、検察側に死刑などを求刑された愛知県稲沢市議の桜木琢磨被告(70)がマリ人から覚醒剤の入ったスーツケースを渡された広東省広州市では近年、アフリカ人による薬物犯罪が増加、地元警察当局が取り締まりを強化している。中国メディアによると、中国で昨年、薬物犯罪で逮捕された外国人のうちアフリカ人が最多だったという。
広東省の警察当局は、昨年7月から外国人が絡んだ薬物犯罪に対する重点的な取り締まりを開始。昨年8月の広州での一斉摘発では逮捕された124人中、99人がアフリカ人だった。
広州は中国で最もアフリカ人が多い都市とされ、衣料や革製品の買い付けで訪れる人が多く、不法滞在者も少なくないという。ビジネス客として歓迎する人もいるが、「薬物犯罪などに巻き込まれないか心配」(42歳女性)との懸念も根強い。
地元住民によると、スーツケースの受け渡しがあったホテルの近くでは昨年、薬物取引で十数人のアフリカ人が逮捕される事件があった。マリ人の男が滞在していた近くの別のホテルは、1泊110元(約1900円)で宿泊客のほぼ全てがアフリカ人。近隣で飲食店を営む中国人男性は「ホテル周辺で、大麻やコカインを売っているアフリカ人がいると聞いた」と眉をひそめて語った。(共同/SANKEI EXPRESS)