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【坂上忍の白黒つけて何が悪い!】泣かされただけでなく…「猿」から教訓
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映画「猿の惑星:新世紀(ライジング)」(マット・リーヴス監督)。3月19日公開(サンダンスカンパニー提供)。(C)2014_Twentieth_Century_Fox □映画「猿の惑星:新世紀(ライジング)」
「猿の惑星」は、第1作からすべて見ている。第1作が製作されたのが1968年ということは、67年生まれのわたしはリアルタイムでは見ていない計算になるが…。
で、46年の歳月を経ての「猿の惑星:新世紀(ライジング)」。「創世記(ジェネシス)」もそうだったが、なにがすごいって、今どきのCGってここまでリアルにできちゃうの?もそうなのだが、それよりもなによりも心情の描き方が秀逸なことにビックリ。目線の送り方、眉間(みけん)の皺(しわ)の寄り方、肩の落とし方で、あそこまで心の機微を描き切ったことに拍手なのである。
ストーリー的には王道というか、とてもわかりやすい勧善懲悪モノ。高度な知能を身につけた猿軍団を統率するシーザーが、仲間内の反乱分子のクーデターによって瀕死(ひんし)の状態に陥ってしまう。しかも、シーザーは人間との共生をどこかで模索していたのだが、新たな統率者であるコバは人間との無益な闘いを選択してしまうのだ。人間対猿たちの最終決戦の行方は? ざっくりと、こういった流れ。
人間側のリーダーを演じるのは、ゲイリー・オールドマン。わたし好みの俳優さんでございます。監督は、「クローバーフィールド/HAKAISYA」のマット・リーヴス(48)。正直、「クローバーフィールド」を見た際は、この監督さん、心情を描くのは不得手なんじゃないかと勘ぐったりもしたのだが、良い意味で見事に裏切られました。映画って、こういう裏切られ方があるから面白いのよね。
で、主人公のシーザーを演じるのは、前作に引き続きアンディ・サーキス(50)。この俳優さんのお芝居を見ていると、やっぱり役者は「眼」なんだなと改めて実感致しました。
いくら口先で気持ちがこもった風なせりふを吐き出そうが、心が役に入っていなければソレは体(てい)であり、逆に役に入り切っていれば、おのずとその気持ちは瞳に、眼球に伝わり、無駄なせりふは必要としなくなる…の見本がここにある。やっぱり、映画は大きなスクリーンで見るものですからね。そこにテレビとの違いがあるわけで。
でも、昨今は映画がテレビ寄りといいますか、説明も含めてあまりに観客に優し過ぎる作りになってしまっている感は否めないと感じている、わたし。そんな折に、この「猿の惑星:新世紀(ライジング)」に出会うあたり、なんか縁を感じちゃうんだよな~。
もっとエンターテインメント寄りな、CGを駆使しまくって「これでもかこれでもか!」の作品かと思っていたら、あろうことか猿に泣かされるだけでなく(猿のみなさんごめんなさい)、映画本来が持つ魅力を思いださせてもらうとはね。しかも、7匹のワンちゃんと暮らす、無類の動物好きのわたしにはたまらないといいますか、身につまされるといいますか…。そもそも人間だって動物なわけで、多少知能が高いからといって分不相応に奢(おご)ってしまうと、いつかしっぺ返しが来ますよ!的な。
要は、共生なわけです。命ある者どこかでつながっているわけで、ならば、どこかしこで共生しなければならない。そんな当たり前の戒めにも似た教訓を与えられたのであります。
エンドロールを見ながら、速攻で家に帰ってワンちゃんたちをハグハグしたい気持ちに駆られました。
最先端のデジタル技術を駆使しながら、忘れてはならないアナログへの想(おも)いを届けてくれた「猿の惑星:新世紀(ライジング)」。興味のある方は、ぜひとも劇場に足を運んでくださいな。9月19日、全国公開。(俳優、タレント 坂上忍/SANKEI EXPRESS)
「猿の惑星」の前日譚として人気SFシリーズをリブートしたシリーズ第1作「猿の惑星:創世記(ジェネシス)」の続編。知性を獲得した猿たちが地球の新たな支配者として君臨するまでの過程を描く。猿のシーザーが人類に対して反乱を起こしてから10年-。手話や言語を操るようになった猿たちは、森の奥深くに文明的なコロニーを築いていた。ある日、息を潜めて暮らしていた人間たちが猿たちのテリトリーを侵食したことから、両者は一触即発の事態となり…。マット・リーヴス監督。