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シャネル フィナーレは華やか「デモ」 ラガーフェルド氏 極右台頭に「Non」
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フランス・首都パリ市街 フランスの「シャネル」やイタリアの「フェンディ」といった名門ブランドのデザイナーで知られるドイツ出身の著名なファッションデザイナー、カール・ラガーフェルド氏(81)が9月30日、来年の春夏物の新作を披露するパリ・コレクションで行われたシャネルのショーで、大勢のモデルを従えて女性の権利向上などを訴えるデモ行進を行った。フランスでは4月の地方選で、移民排斥などを訴える極右政党の国民戦線(FN)が大躍進するなど不穏な空気が漂っており、そうした世相に異を唱える彼ならではの華やかな抗議活動となった。
AP通信や英紙ガーディアン(電子版)などによると、今回のパリコレは9月23日から9日間の日程で開催された。ラガーフェルド氏が手掛けるシャネルのショーは、1900年のパリ万博のために建てられたパリ8区にある巨大展示場兼美術館「グラン・パレ」で行われ、フランスの国民的ブランドだけにひときわ注目を集めた。
そんな華やかなシャネルのショーのフィナーレで、モデルとして世界一の高給取りで知られるブラジルのジゼル・ブンチェンさん(34)やイギリスのカーラ・デルヴィーニュさん(22)ら一流モデルの面々がプラカードやメガホンを手に、ラガーフェルド氏とともに「シャネル大通り」と名付けられた花道をデモ行進。プラカードには「歴史とは女性の歴史である」「フェミニズムはマゾヒズムではない」「男も妊娠すべきだ」といったフェミニストの過激なスローガンが並び、ジゼルさんは「自由は束縛されない」などと叫んだ。
今回のデモ行進についてラガーフェルド氏はAP通信に「気取ってみせるつもりはないが、アーティストは私自身なのだ」と表現者としての自負を披瀝(ひれき)し、「シャネルにはある種の力がある。人々がそんなシャネルのデモをみる。これはいいことだと思うよ」と話した。
移民排斥や同性婚反対を掲げる極右政党FNは、5月の欧州議会選挙でもフランス国内で約25%を得票し、ますます力を強めている。
そんななか、昨年1月のパリでのショーで同性婚カップル向けのウエディングドレスを発表するなど、一貫してFNの論調に異を唱えてきたラガーフェルド氏は、AP通信に、フランスではFNのせいで自由が危険にさらされていると強調。ショーのなかでデモ行進を取り入れた理由について、「FNと呼ばれる政党とともに、フランスでは状況が悪化している。(同性婚カップルの支持に続き)ささやかながら再び主張すべきときだと考えた」と話した。(SANKEI EXPRESS)