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ネットいじめ 撲滅へGo! M・ルインスキーさん13年ぶり公の場に

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ネットいじめ 撲滅へGo! M・ルインスキーさん13年ぶり公の場に

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 1998年に当時のビル・クリントン米大統領(68)との不倫スキャンダルで世間を騒がせたホワイトハウスの元実習生、モニカ・ルインスキーさん(41)が20日、米フィラデルフィアで開かれた米経済誌フォーブス主催のイベント「アンダー30サミット」で講演し、13年ぶりに公の場に姿をみせた。世紀の醜聞をインターネットで暴かれ、世界中の好奇の視線と誹謗(ひぼう)中傷を一身に浴びた自身の悲惨な体験を振り返りながら、「私の使命はネットいじめをなくすこと」と話し、自殺者も出ているネットいじめを根絶するよう訴えた。

 「最初の被害者」

 「おはようございます。私はモニカ・ルインスキーです。過去、何度も名前を変えるよう忠告を受けましたが、私はまだモニカ・ルインスキーです」

 詰めかけた約3000人の聴衆に向かってこう切り出したルインスキーさんは「私より平均で15歳は若いみなさんだからこそ、お話ししたかった」と熱弁をスタートさせた。

 このイベントはフォーブスが金融、科学、芸術など各分野から選んだ明日を担う30歳以下の若い才能30人を応援することが狙いで、今回が初開催だ。

 10月20日付フォーブス誌(電子版)などによると、ルインスキーさんはまず当時の醜聞について、「大学を出たばかりの22歳のインターンが恋に落ちた上司が米大統領だった」などと説明。続けて「醜聞は最初、インターネット上の政治系ニュースサイトが暴いた。当時はフェイスブックもツイッターもなかったが、ニュース系やゴシップ系のサイトはあった。ダイヤルアップ接続で通信速度は極めて遅かったが、醜聞はたちまち世界に広がった」と振り返った。

 「(醜聞発覚後の)98年9月11日、ニューヨークのホテルにこもり、ノートパソコンの画面を眺めながら『どうしよう!』と叫び、1日を過ごした。二度と人前に顔を出せないと思うと涙が出て、死にたいと思った」と当時の自殺願望を告白し、自分こそネットいじめの「最初の被害者」だったと強調した。

 さらに、ニュージャージー州の18歳の男子学生が男性とキスしている場面を隠し撮りのビデオでネット中継され、飛び降り自殺した事件に言及。「フェイスブック利用者の54%はネットいじめを経験している。私自身、それを乗り越えたので、この恥知らずなゲームの犠牲者たちも乗り越えられるよう支援したい」と述べた。

 ツイッター開設

 醜聞発覚後の彼女は新たな人生を歩もうと2005年に英国留学。翌年、社会心理学の修士号を取得するが、帰国後は仕事を転々とするなど不安定な人生を強いられた。今年5月には沈黙を破り、米誌に手記を寄せた。

 「自分の苦しみを良い目的に生かし、過去に意義を見いだしたい」と語った彼女はツイッターのアカウントも開設。初ツイートは「#HereWeGo(さあ、行くわよ)」で、ネットいじめ撲滅への誓いを新たにした。

 ルインスキーさんのアカウントは、既にフォロワーが5万人を突破するなど、彼女の訴えに賛同する人が多い。一方で「お前のヌード写真を投稿しろよ」といった下品で悪質な投稿も目立つ。皮肉なことに、ネットいじめ問題の根深さを再び自ら証明する形にもなったようだ。(SANKEI EXPRESS

 ■モニカ・ルインスキーさんの不倫スキャンダル 1998年1月、当時のビル・クリントン米大統領が、ホワイトハウスの実習生だったルインスキーさんと不倫関係にあったと米政治系サイト、ドラッジ・レポートがスクープした。猛批判を浴びたルインスキーさんは「大統領の精液がついた青いドレス」の存在を明言。クリントン氏は血液採取とDNA鑑定を受けた末、大陪審で「不適切な関係」を認めた。前代未聞の醜聞は米史上2例目となる大統領への弾劾裁判に発展したが、99年2月、上院で無罪評決が出た。

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