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「障害を持つ人 より勇敢に」 異色パンクバンド、欧州音楽大会出場へ

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「障害を持つ人 より勇敢に」 異色パンクバンド、欧州音楽大会出場へ

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「ユーロビジョン・ソング・コンテスト」のフィンランド代表に選ばれたパンクバンド「ペルティ・クリカン・ニミペイベット」のメンバー。右からリーダー兼ギター奏者のペルティ・クリカさん、ベース奏者のサミー・ヘレさん、ボーカル担当のカリー・アルトさん、ドラム担当のトニー・バルトロさん=2015年2月28日、フィンランド・首都ヘルシンキ(AP)  1956年に欧州で始まった音楽の国別対抗戦「ユーロビジョン・ソング・コンテスト」のフィンランド代表に、知的障害や学習障害のある中年男性4人で結成されたパンクバンド「ペルティ・クリカン・ニミペイベット(PKN)」が選ばれた。スウェーデンの男女4人グループ、アバを輩出するなどポップミュージックが中心のユーロビジョンにパンクバンドが出場するのは初の快挙という。フィンランド代表では、2006年大会でやはり異色のハードロックバンドが優勝しており、母国の栄誉をかけて5月の本戦に出場する中年バンドへの期待が高まっている。

 日常の鬱憤を熱唱

 フィンランドの放送局YLEによると、2月28日に首都ヘルシンキで行われた代表を決める決勝大会で、PKNは食事や掃除、洗濯といった日常生活で感じる鬱憤や怒りをラップに乗せた楽曲「アイナ・ムン・ピター(いつも何かを強要される)」を熱唱。見事優勝を果たした平均年齢40歳超のメンバー4人は、喜びを爆発させた。

 「障害を持つすべての人は、より勇敢であるべきだ」。ボーカル、カリー・アルトさんはこう語り、会場の喝采を浴びた。

 英BBC放送などによると、PKNは09年に、作詞作曲を手掛けるリーダーでギター担当のペルティ・クリカさんを中心に、ヘルシンキ北部の街カリオで結成された。バンド名は「ペティ・クリカの命名日=洗礼名をもらった日」という意味。4人とも自閉症やダウン症といった先天的な障害がある。

 「施設に住みたくない。この街にいたい。俺は尊厳を失った。生命は平等だ」などと歌うデビュー曲「PKN」が地元でヒットし有名に。

 12年に公開された彼らを紹介するドキュメンタリー映画「ザ・パンク・シンドローム」がフィンランド・アカデミー賞のドキュメンタリー賞を受賞し、全国にその名を知られるようになった。これまでに発表したシングル5曲はすべてフィンランド語で歌われているが、英、米、カナダ、ドイツ、オランダなどでも演奏ツアーを行うなど海外での評価も高まっている。

 「同情票は入れないでくれ」

 「われわれは何があってもパンクのスタイルを固持し、さまざまな方法で社会に反逆している。でも政治的なバンドではない」。決勝大会を前に、ベース担当のサミー・ヘレさんは英紙ガーディアンに、バンドのスタイルをこう説明。「多くの人たちがライブに来てくれ、ファンになってくれるので、最近は少し態度を軟化させているよ。でも俺たちはみんなと大差ない知的障害を持つ普通の男だ。同情票は入れないでくれ」と語っていた。本番でも音楽の実力で勝負するという。

 ユーロビジョンは、欧州放送連合(EBU)加盟放送局によって開催される歴史ある音楽コンテスト。各国代表の歌手やバンドが生放送で楽曲を披露し視聴者は数億人に上るとされる。これまで1974年に優勝したアバに代表される大衆的なポップミュージックが中心だった。

 しかし、2006年には奇抜なコスチュームで人気のハードロックバンド「ローディ」がフィランド代表として初優勝。昨年はオーストリア代表のヒゲ面のドラッグ・クイーン(女装する男性の同性愛者)、コンチータ・ウルストさんが勝ち、その後、大ブレークし話題になった。

 英ブックメーカー(賭け屋)は、早くもPKNを本戦での有力な優勝候補に挙げている。(SANKEI EXPRESS

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