ニュースカテゴリ:EX CONTENTS
エンタメ
博士は偉大な偉大な希望の象徴 エディ・レッドメイン 映画「博士と彼女のセオリー」
更新
アカデミー賞記念「オスカーパーティー」に妻のハンナ・バグジョーさん(左)と出席したエディ・レッドメインさん=2015年2月22日、米カリフォルニア州ビバリーヒルズ(AP) 先の第87回米アカデミー賞授賞式で主演男優賞(ジェームズ・マーシュ監督の『博士と彼女のセオリー』)を射止めたのが英人気俳優、エディ・レッドメイン(33)だ。多くのノーベル賞受賞者を輩出してきた名門、ケンブリッジ大学トリニティ・カレッジOBの彼が演じたのは、ケンブリッジ大大学院に学んだ車いすの天才物理学者、スティーブン・ホーキング博士(73)。作品は難病ALS(筋萎縮性側索硬化症)と闘うホーキング博士と妻の純愛を描く青春物語だけに、新婚ほやほやのレッドメインにとっては、きっと相性のいい作品だったに違いない。
受賞スピーチでは「私は今、自分の気持ちをうまく表現できませんが、本当に幸運な男だと思います。このオスカー像はALSと闘っている世界中の人たちのためのものです。スティーブン・ホーキング博士、ジェーン(最初の妻)、ジョナサン(ジェーンの再婚相手)、博士の子供たちのためにこのオスカー像を管理します。毎日磨きます。彼らのために、この像のために尽くします。本当に信じられません」と興奮気味に語った。主演男優賞レースの本命とされた「バードマン」のマイケル・キートン(63)を押しのけての受賞だけに、喜びもひとしおのようだ。
将来を嘱望されていた天才物理学者、ホーキング(レッドメイン)は、ケンブリッジ大大学院に在学時、ジェーン(フェリシティ・ジョーンズ)とパーティーで出会い、2人は恋に落ちる。だが愛に満ちた楽しい日々はそう長くは続かない。ホーキングはALSを発症し、医師から「余命2年」を告げられる。ジェーンはホーキングとともにALSと闘う決意を固め、2人は結婚したが…。
レッドメインがホーキング博士に抱くイメージは「偉大な、偉大な、希望の象徴」というものだった。「彼は21歳で『余命2年』と言われましたが、現在も生きているわけです。あらゆる予測に反する驚異的なことですよ」。なかなか役作りへのとっかかりをつかめなかったレッドメインは、まずホーキング博士を理解することから始めた。「彼の病気や科学の知識を理解するだけにとどまらず、あらゆる彼の感情や肉体的な状況をどう僕の中に取り入れればよいのか?を重視しました」
まずレッドメインは専門家を雇い、チームを作った。メークアップアーティスト、衣装デザイナー、ボーカルコーチはもちろんのこと、ホーキング博士の動作を学ぶための振付師らだ。撮影の約3カ月前からは、神経細胞の変性を起こす運動ニューロン病(MND)の医師と連絡を取り、病院で40人ものMND患者を取材し、彼らの動き、表情、考え方を実地で学んだそうだ。
英国人のホーキング博士がアメリカ英語を話す理由については、出演が決まるまで考えもしなかった。彼の“肉声”を紡ぎ出すコンピューターは、アメリカ英語で語るように設計されているのがその理由。「博士の声があまりにも彼のアイコンとマッチしていて、本人も設定を変更したいと思ったことがないようです。僕たちもこれこそが博士の新しいID(身元証明)、声のIDだと思っています」。13日、全国公開。(高橋天地(たかくに)/SANKEI EXPRESS)
※映画紹介写真にアプリ