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科学
人工知能が猛烈進化「人類滅ぼす」 世界最高の頭脳、ホーキング博士が警告
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音声合成装置を使い記者会見をするスティーヴン・ホーキング博士。世界最高の頭脳を持つ科学者が、人工知能の開発に警鐘を鳴らし、世界に衝撃が広がっている=2014年12月2日、英国・首都ロンドン(AP) 車いすの天才物理学者として知られる英国のスティーヴン・ホーキング博士(72)が、人間のように考えたり学習したりする「人工知能(AI)」について、「人類を滅ぼすことになるかもしれない」と警告した。AIが自ら猛烈なスピードで進化し暴走するという、SF映画や小説の世界では使い古されたあまりにも陳腐な仮説だが、世界で最も優れた“頭脳”の持ち主といわれる博士の発言だけに、小さくはない衝撃が広がっている。
「ひとたび人類が完全なAIを開発してしまえば、それは自ら発展し、加速度的に自身を再設計していくだろう」
ホーキング博士の衝撃的な発言は、英公共放送局BBCで2日に放映されたインタビューで飛び出した。
21歳のときに運動神経系の難病「筋萎縮性側索硬化症(ALS)」と診断された博士は現在、米半導体メーカーのインテルが開発した意思伝達システムによる合成音声でコミュニケーションを取っている。インタビュアーが、AIとの組み合わせで会話するロボットなどに応用できるこのシステムの技術革新について質問したところこう答えたのだ。
博士は「これまでに開発された原始的なAIは人類にとって非常に有用である」と認めながらも、「ゆっくりとした生物学的な進化しか遂げられない人類は、(AIと)競争することはできず、取って代わられるだろう」と指摘。「完全なるAIの開発は、人類の終焉(しゅうえん)をもたらすかもしれない」と“予言”した。
まさに、反乱を起こしたAIが人類を滅ぼそうとする米SF映画シリーズ「ターミネーター」や、AIとして生まれ変わった科学者が驚異的な進化を遂げる今年公開の米英中合作「トランセンデンス」の世界だ。
博士は5月にも英紙インディペンデントへの寄稿の中で、このトランセンデンスを例に挙げ、「SF映画と片付けることは人類にとって史上最悪の間違いだ」とし、「その危険性を回避する策を学ばなければならない」と警鐘を鳴らしていた。
AIをめぐっては、米国の電気自動車(EV)メーカー、テスラモーターズや国際宇宙ステーションへの物資輸送を担うスペースXを率いるイーロン・マスク氏(43)が先月、科学サイト「エッジ」に同様の警告を投稿し物議を醸した。
マスク氏も「AIの進化でロボットが人間を殺し始める。AIの進化の速度は信じがたいほど早い。深刻な危機が5年以内にやってくる。私はデタラメを言っているのではない」と書き込んだが、名うてのIT起業家の発言は米国に波紋を広げ、マスク氏は数時間後に投稿を削除した。
今回は天才学者の大真面目な発言だけに、今後のAI開発に少なからず影響を及ぼす可能性もある。AIはさまざまな分野で利用が進んでおり、米IBMはAIを搭載したコンピューター「ワトソン」を成長事業と位置づけ巨額資金を投入。ソフトバンクもIBMと協力しロボット事業に力を入れている。
ワトソンは人気クイズ番組で人間のクイズ王を破ったことで知られるが、事業としてはビジネスマンに最適な販売手法を伝授するサービスを年内に開始するという段階。日本の国立情報学研究所が東大合格を目指して開発しているAI「東ロボくん」は現在、偏差値50程度で目標にほど遠い。人類滅亡は、博士の杞憂(きゆう)としか思えないのだが…。(SANKEI EXPRESS)