ニュースカテゴリ:EX CONTENTS
科学
まるでSF? 砂地を登るヘビ型ロボット 米大学が開発に成功
更新
人間が到達できない狭い穴の中や入り組んだ地形で作業が可能なロボットがあればさぞや便利なことだろう。SF映画に出てくるようなそんな「夢」のロボットがそう遠くない将来、完成しているかもしれない。米カーネギーメロン大学や米ジョージア工科大学の研究者がこのほど、これまで不可能だった砂地を登るヘビ型ロボットの開発に成功したというのだ。
最良のヘビ型ロボットを作りたいなら、やはりその動きはヘビに学べということか。ロイター通信(電子版)などによると、研究者らが米南西部の砂漠に生息する“ヨコバイガラガラヘビ”の動きを観察の上、ヘビ型ロボットにインプットしたところ、傾斜20度までの砂地を登ることができたという。
ヘビ型ロボットは、車輪で動くロボットとは異なり、でこぼこした地形や狭いパイプの中で作業が可能だ。建物倒壊現場での捜索・救助活動や、原子力発電施設の点検などへの活用が期待されており、カーネギーメロン大ロボット研究所のハウィー・チョセット教授は「ヘビ型ロボットならば、人や他の機械が通行不能な複雑地形でも難なく通り抜けることができる」と語る。
ただ、最大の難点は、急勾配の砂地を登れないこと。今回の研究に成功するまで、カーネギーメロン大が開発したヘビ型ロボットは傾斜10度のわずかな坂道すら登ることができなかった。当然、ヘビ型ロボットの投入が期待される作業現場は、坂道や砂地のない土地ばかりとはかぎらない。悩んだ研究者らがたどり着いたのは、砂地にすむガラガラヘビの動きを精緻に観察してみることだった。
ちょうどジョージア工科大(本部・アトランタ)でもヘビが動く仕組みを解明するための研究が進められていたため、両校はアトランタ動物園に囲い地をつくり、アリゾナの砂漠の砂を持ち込んで小型の毒蛇である“ヨコバイガラガラヘビ”の生息地を再現。砂地に異なる傾斜をつけ、ハイスピードのビデオカメラを使ってガラガラヘビの動きを観察した。
その結果、このガラガラヘビが砂地の角度に合わせて動きを変えていることを発見。体を波打たせるようにしてざらざらした表面を砂地にくっつけると同時に、接地面を増やすようにして崩れやすい斜面を登っていくことが分かった。
カーネギー大の研究者らはさっそく観察したガラガラヘビの動きを大学で開発中のヘビ型ロボット「スネークボット」に移植。しかし、体を波打たせる動きをインプットする前の段階では、平らな土地を横切ることはできても、砂地を登ることはできなかった。研究チームでは、この体を波打たせる動きにこそ、ガラガラヘビがいとも簡単に砂地を登るための秘密が隠されていると分析している。
スネークボットはアルミニウム製のパーツ17個で作られており、16の接合部分を折り曲げることができる。直径約5センチ、全長約94センチ。内部にはモーター、電子装置、コンピューター、センサーが搭載されている。
ジョージア工科大のダニエル・ゴールドマン教授(物理学)は「われわれの目的はロボットを使って動物が動く仕組みを解明することだったが、それに成功しただけでなく、ロボットの改良にもつながった」と研究成果を強調。生物学の知識が科学技術の改良に応用された好例として米科学誌「サイエンス」も大きく取り上げている。(SANKEI EXPRESS)