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「音楽は有料」歌姫ら続々支持 ジェイ・Zの配信サービス始動

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「音楽は有料」歌姫ら続々支持 ジェイ・Zの配信サービス始動

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バルバドス出身のR&B歌手、リアーナさん=2014年11月11日、米国・首都ワシントン(AP)  マドンナ(56)やビヨンセ(33)、リアーナ(27)といった超人気ミュージシャンが自ら参画し支持する有料音楽配信サービスが世界31カ国でスタートする。ラップ歌手のジェイ・Z(45)が3月に買収した「Tidal(タイダル)」を刷新。月額9.99ドル(約1200円)で約2500万曲が聴き放題となる。欧米で急成長している無料で聴き放題の「スポティファイ」に不満を持つアーティストたちが結集したかたちで、すでにテイラー・スウィフト(25)が自身の全楽曲をスポティファイから引き揚げて大きな話題になった。ジェイ・Zは「音楽はタダではない」と訴えたが、利用者の支持を得られるかは分からない。

 「今回の挑戦は、誰もが再び音楽に敬意を払い、その価値を認めるようにすることである」

 米紙ニューヨーク・タイムズ(電子版)などによると、ジェイ・Zは、ニューヨークで3月30日に開いた新サービスの発表イベントで、こう語った。壇上には参画する3人の歌姫のほか、男性歌手のカニエ・ウエスト(37)らが次々と登場。順番に契約書にサインするパフォーマンスで観衆を沸かせた。

 「世界の基盤に」

 ジェイ・Zは「誰も音楽にお金を払おうとしない。蛇口の水はタダで飲むべきものだが、素晴らしい音楽が聴きたければ、アーティストを応援しよう」と、無料配信を批判。登壇した女性歌手、アリシア・キーズ(34)も「音楽の歴史の流れが今日、永遠に変わった。タイダルは史上初のアーティストが所有する世界の音楽の基盤になる」と賛辞を贈った。

 スポティファイとタイダルはいずれも楽曲データを受信しながら再生する「ストリーミング」サービス。日本では利用できない。ジェイ・Zは今年3月、昨秋にサービスを開始したタイダルを運営するスウェーデンの会社を約5600万ドルで買収した。

 今回の刷新では、米国の最低月額料金をこれまでより10ドル値下げし9.99ドルに設定。19.99ドル払えばより高音質の楽曲が聴ける。刷新に合わせ、少なくとも15人のミュージシャンがタイダルの共同所有者として参画。契約金と株式を受け取る代わりに、タイダルのプロモーションやマーケティングに協力するという。英紙フィナンシャル・タイムズは、あるミュージシャンは300万ドルの現金と株式の3%を受け取ったと伝えた。

 会員獲得に「?」

 ストリーミングの草分けであるスポティファイは、楽曲の合間にCMが挿入される無料配信サービスで全世界に約4500万人の会員がいる。月額9.99ドルでCMなしの聴き放題となる有料会員も約1500万人おり、約51万人のタイダルの30倍に上る。

 ミュージシャンらはスポティファイから支払われる楽曲使用料があまりにも安いことに不満を募らせており、人気絶頂のスウィフトは昨年11月に全楽曲を引き揚げ、先月からタイダルで聴けるようにした。

 ただタイダルに今回参画するミュージシャンらはスウィフトのようにスポティファイから楽曲を引き揚げるとは明言していない。このため「ジェイ・Zらが限定曲を独占配信する程度では多くの会員は獲得できない」との厳しい見方も出ている。(SANKEI EXPRESS

 

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