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10万人を魅了 最強の女子会ライブ テイラー・スウィフト
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テイラー・スウィフト(中央)の歌う全18曲に2日間で計10万4000人が歓喜した=2015年5月5日、東京都文京区の東京ドーム。(Jun_Satoさん撮影/LP5/Getty_Images_for_TS) ニューヨークへ引っ越し、最新アルバム『1989』で新境地を開いたテイラー・スウィフトが、「ザ・1989・ワールド・ツアー」の皮切り公演を5日、6日と東京ドームからスタートさせた。観客の9割は10代、20代の女子と言っていいだろう。「ウェルカム・トゥ・ニューヨーク」を1曲目に始まったステージはニューヨークの中心部、西42番街をイメージしたもの。ファッションアイコンとしても人気のテイラーは早着替えも多く、一瞬たりとも目を離せない。しかもLEDを駆使した派手やかなセットに加え、全席にコンピューターで制御された光るリストバンドが配布され、それを腕につけた会場全体の眺めたるや壮観だ。そこへファンの熱唱と歓声が加わり、テイラー主宰の女子会は最強になっていく。
過去の曲も、大胆なロックアレンジをした「トラブル」のようにリメークで魅了。世界初披露とあって、イントロ当てクイズのように演奏が始まる度に黄色い声が上がる。またセットチェンジの際には、テイラーの親友であるセレーナ・ゴメスやハイムらが彼女について語るビデオ映像が流れ、女子会ムードがさらに高まる。
傘やダンサーの衣装がブラックライトのように光ったり、シルエットを生かしたステージングなど、ミュージカルを想起させる見せ場が多い。中盤では花道がはしごのように迫り上がって2、3階席の人まで見やすい高さにまでテイラーが上昇。原点であるアコースティックギターの弾き語りを披露した後は、一人一人に話し掛けるように恋愛や友情、孤独や挫折について語る場面も。親近感が増したところで、鍵盤を弾きながら名曲「ラヴ・ストーリー」を大歓声の中で歌い上げた。
一番の変化はフィドル奏者を同行せず、カントリー色を一掃したことだろう。また終盤にはファンタジー感あふれる演出もあったが、夢見心地のお年頃を卒業し、洗練された大人の女性を意識したステージ構成が際立った。エレクトロポップの「スタイル」や「バッド・ブラッド」を、12人の男性ダンサーを率いながら白のスパンコールのミニドレスや黒のボンデージ風スーツで歌うのを見ているうちに、打たれ強いアーティストとしてのたくましさを含め、マドンナに次ぐ男気を感じてしまったほどだ。
ラストは“自分を貫いて前へ進むわ”と宣言するかのように、大ヒット曲「シェイク・イット・オフ」で締めくくった。(音楽ジャーナリスト 伊藤なつみ/SANKEI EXPRESS)