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歌姫「がっかり」 Apple改心 「無料」ストリーミング 印税支払いへ

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歌姫「がっかり」 Apple改心 「無料」ストリーミング 印税支払いへ

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ブログでの公開抗議でアップルを改心させたテイラー・スウィフトさん。文字通り「世界で最も影響力のある女性」の一人であることを証明した=2015年2月15日、米ニューヨーク(AP)  歌姫の抗議が巨象を動かした。米アップルは21日(日本時間22日)、今月末から開始する新しい音楽ストリーミングサービス「アップルミュージック」で、当初の決定を撤回し、3カ月間の無料お試し期間中もアーティストらへの印税を支払う方針を明らかにした。米人気歌手、テイラー・スウィフトさん(25)が20日、自身のブログで、お試し期間の未払いに抗議しヒットアルバム「1989」をアップルミュージックから引き上げると表明したことに対応したもので、21日朝にブログを見て慌てた社幹部が「試聴期間中もきちんと支払うよう対処する」と返信して確約。急転直下で一件落着したのだった。

 SNSに公開書簡

 スウィフトさんはこれまでにグラミー賞を何度も受賞し、米経済誌フォーブスが選ぶ「世界で最も影響力のある女性100人」の今年のリストに最年少で入る(64位)など、音楽シーンの大物。20日に多機能型SNS「タンブラー」に公表した公開書簡とも言うべきアップルへの抗議文は、「アップルへ 愛をこめてテイラーより」で始まり、「(試聴期間中はアーティスト側へ支払いが生じないという)事実を知った時は非常にショックでがっかりした。革新的かつ寛大なアップルらしくない」と批判。

 「3カ月間も支払いがないのは長すぎるし、ただで働けと言うなんて誰に対しても不公平」とし、「ファンは無料でサービスを利用できるとしても、アーティスト、作詞家、作曲家、そしてプロデューサーには3カ月の試用期間の対価を支払うべきだ」と訴えた。

 「若手には死活問題」

 さらにスウィフトさんは「私自身は十分な収入があるので3カ月ぐらい支払われなくてもどうということはないが、新進の若いアーティストらにとっては死活問題であり、才能がつぶされかねない。恐れ多い存在に対してものが言えない彼らのために私が声を上げた」と力説。「天文学的な成功を収めているアップルなら3カ月の自己負担ぐらい、余裕でできるはずだ」と諭した。

 ただ、アップルについては「私の音楽販売とファンとのつながりを作ってくれる最高のパートナーであり、尊敬している」と持ち上げ、「どうか遅すぎることはないので、私の訴えを聞き入れ、当初方針を撤回してほしい」と懇願した。

 「音楽はタダではない」という信念があるスウィフトさんは昨年11月にも、有料サービスと広告ベースの無料サービスを合わせて提供している音楽ストリーミングサービス最大手のスポティファイから、自身の全楽曲を引き上げている。

 副社長、即座に反応

 スウィフトさんの公開書簡は瞬く間に大きな反響を呼び、慌てたのがアップルのエディ・キュー上級副社長だった。キュー氏は即座に自身のツイッター上でスウィフトさんに回答し、「言い分は十分わかった。ユーザーの無料試聴期間中も同じようにアーティストにきちんと支払いをする」と約束した。

 キュー氏はAP通信に「彼女とは(電話で)直接会話も交わした。即座の反応を喜んでくれた。言われてみれば、支払いは当然だ」と話した。「1989」の引き上げをスウィフトさんが止めるかどうかは、まだ言質を得ていないという。一方、スウィフトさんは21日夜、ブログで「言い分が聞き入れられた。私はいっそう元気になったわ」と述べた。

 アップルミュージックは3000万曲の楽曲を用意しており、無料のお試し期間後の利用料は、個人が月額9.99ドル(約1225円)で家族が14.99ドル。利用料のうち、71.5%がアーティストらに支払われることになっている。コンテンツ配信サービス「iTunes(アイチューンズ)ストア」でのダウンロードからストリーミングサービスへのシフトを図ろうと試みるアップルにとって、スウィフトさんの提言は、強烈な一発だったに違いない。(SANKEI EXPRESS

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