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「正義とは」 掘り下げることができた 映画「アベンジャーズ エイジ・オブ・ウルトロン」 エリザベス・オルセンさんインタビュー

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「正義とは」 掘り下げることができた 映画「アベンジャーズ エイジ・オブ・ウルトロン」 エリザベス・オルセンさんインタビュー

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「世界中の人々が劇場に足を運ぶシリーズに参加できて光栄」と語る、女優のエリザベス・オルセンさん=2015年6月22日、東京都港区六本木(早坂洋祐撮影)  「キャプテン・アメリカ」「アイアンマン」「マイティ・ソー」-といった米マーベルコミック原作の人気作品からヒーローたちが飛び出し、一致団結して悪の組織に戦いを挑む夢のオールスター「アベンジャーズ」シリーズの続編「エイジ・オブ・ウルトロン」(ジョス・ウェドン監督兼脚本)。大勢の人々を犠牲にしてまで貫かれる正義とは一体何か?と難しい問いを投げかける本作に、特殊能力の使い手に扮(ふん)した若手実力派、エリザベス・オルセン(26)が真正面から挑んだ。

 作品の規模考えず

 世界中で大ヒットした超大作の第2弾への出演が決まったからといって、とりわけ何かをしようと意気込むことはなかったそうだ。「まず、作品の規模など考えないようにすることが重要だと思いました。超大作への出演を脅威に感じてしまうといけませんからね。役作りでは他の小規模な作品に臨むのと何ら変わらないアプローチをあえてしました」。むしろオルセンの思いは、世界中にいるアベンジャーズファンと、彼らが愛するヒーローたちに失礼とならないようなパフォーマンスを俳優として披露することにあったという。

 《アイアンマンとして人類の危機を何度も救ってきたトニー・スターク(ロバート・ダウニー・Jr.)は、アベンジャーズの限界を強く意識し、手に負えない敵の襲来に備えて、自らが開発した平和の維持に尽力する人工知能「ウルトロン」を起動させる。だが、ウルトロンは「究極の平和」を実現するためには、平和を脅かす存在として人類の抹消が必要と判断し…》

 完全に独立した役柄

 オルセンが演じるのは、自ら進んで受けた人体実験の結果、人の心を操る能力と念動力を身につけた双子の一人、スカーレット・ウィッチことワンダ。ある独裁国家で生まれた彼女は米国人のスタークが作った兵器によって家族を殺害され、アベンジャーズへの復讐(ふくしゅう)を誓っていた。

 「ワンダという人物は、例えば、共演する男性キャラクターの側に何らかの事情があるため、必然的に登場することになる女性キャラクター-といった他律的な存在ではありません。あくまで自分側の理由で作中に存在する完全に独立したキャラクターなのです。そんな役をもらえて、私は本当に満足しています」。作中、ワンダはアベンジャーズ面々が抱えるトラウマを意識下に引き出して幻惑し、彼らの弱点すらも浮き彫りにしてしまう。結果的に、固い結束を誇ったメンバー間に隙間風が吹き始める。

 国際政治映し出す

 本作では、アベンジャーズ、双子、そしてウルトロン-の3者が主張する正義がぶつかり合う。それぞれの主張に捨てておけない、もっともな理由があるため、物語はより厚みを増し、登場人物たちの行く手は見る者の興味をそそるものとなった。「双子の境遇を見ていると、作品は今日の国際政治を映し出したものだとも思えます。ロシアや米国がある国に兵器を提供して戦争をさせた結果、誰が戦争の責任をとるべきなのかという類の話は実際にじっくりと議論されていることでもありますしね。今回、自分が演じたワンダを通して『正義とは何か』と十分に掘り下げることができたのは、興味深いところでもありました。実際の国際政治の観点から見ても、この物語は感服するくらい厚みのあるものとなったと思います」

 オルセンは来年公開のシリーズ「キャプテン・アメリカ シビル・ウォー(原題)」にも出演し、自身の撮影はすでに終了したという。「今後は彼女がいかに能力を封印するか、という点が描かれます。楽しみにしていてください」。もっとも一映画ファンの立場で言えば、超大作には目がないそうで、オルセンは今後のキャリアプランについて、「私だって『スター・ウォーズ』シリーズや『インディ・ジョーンズ』シリーズは大好きです。規模の小さな作品も、逆に大きな作品も、分け隔てなく、どんどん出演していきたいです。超大作の魅力とは、世界の人々が同じ映画を見るために映画館に足を運び、楽しみを分かち合うところにあるんですよね。それはコンセプトとしてすごいことだし、そこに自分が参加して、豪華キャストに名前を連ねることができることも大変光栄です」と語り、並々ならぬ意欲を示した。7月4日、全国公開。(文:高橋天地(たかくに)/撮影:早坂洋祐/SANKEI EXPRESS

 ■Elizabeth Olsen 1989年2月16日、米カリフォルニア州生まれ。映画の主な出演作品は、2011年「サイレント・ハウス」「マーサ、あるいはマーシー・メイ」、12年「レッド・ライト」、13年「キル・ユア・ダーリン」「オールド・ボーイ」、14年「GODZILLA ゴジラ」など。姉は双子で女優でファッションデザイナーのメアリー=ケイト&アシュレー・オルセン。

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