ドイツアルプスの麓 オーバーアマガウ 小さな信仰の村 埋め尽くす壁画
更新今では宗教的な絵のほかにも、赤ずきんちゃんやヘンゼルとグレーテルといったグリム童話の一場面も題材となり、周囲の自然と相まって、壁絵を楽しみに訪れる観光客でにぎわう村でもある。そして、世界から注目されているのが、1634年以来、絶えることなく10年ごとに上演されている「キリストの受難劇」だ。
≪17世紀の誓い 今も守る受難劇≫
この村における受難劇の歴史は、「30年戦争」でスウェーデンが侵入してきた1630年に遡(さかのぼ)る。ドイツ全土が荒廃し飢餓に苦しめられた。33年にはペストがはびこり、村民の20%の命が奪われたという。
村は不安と恐怖の中で、「神が病から救ってくれるのならば、今後10年ごとに聖劇を上演する」と決議。祭壇の前でその誓いを立てると、村からペストによる死者は一人も出なくなったという。
こうして始まったキリストの受難劇は、10年に1度という誓いのまま、今日に至るまで続いている。





