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揺らぐアップルの優位性 美しい新型iPad、機能面では驚き乏しく
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米アップルが「iPad(アイパッド)」の刷新に踏み切った。昨年11月に登場した小型版の「mini(ミニ)」が当初人気を集めたように、軽量化で使い勝手を高めた製品を投入し、鈍化している勢いを盛り返す狙いがある。ただ、低価格品で攻勢をかけるライバルの追い上げは激しく、タブレット市場を切り開いたアップルの優位は揺らぎかけており、機能面で目新しさに乏しい新製品がカンフル剤になるかどうかは未知数だ。
米調査会社IDCによると、4~6月期のタブレット出荷台数の世界シェアでアップルは32.4%を占めたが、前年同期の60.3%から半減。2位で18.0%の韓国サムスン電子とはまだ差があるが、追いすがる競合他社の足音が近づいてきた。
米アマゾン・コムなどが小型版や廉価品を相次いで投入。品ぞろえの強化に迫られたアップルは約1年前にミニを投入した。今回は主力モデルを軽量化し、年末商戦に向けて消費者の関心を引きつけたい考えだ。
だが、「軽くデザインも美しい」(アナリスト)と評価する声がある一方、機能面では驚きに乏しい。米ITサイトのオール・シングス・デジタルも「劇的な刷新を期待したが、手がかりを得られなかった」と辛口だ。
ミニも他社製品より割高と受け止められ、足元では売れ行きが伸びない。てこ入れとなる今回の刷新も「マイナーチェンジでがっかり」(米ITサイトのCNET)と評価は今ひとつ。新製品への期待から値上がりしていたアップル株も、22日は売りが目立った。
アップルのティム・クック最高経営責任者(CEO)は「アイパッドのような驚くべき製品はアップルにしかつくれない。他社は追いつけない」と強気の姿勢を崩さないが、英紙フィナンシャル・タイムズは「アップルの優位はもはや当然とはいえない」と厳しい見方を示す。
9月にはスマートフォン(高機能携帯電話)「iPhone(アイフォーン)」の廉価モデルを、新興国市場での出遅れを挽回するため投入したが、打つ手が後手に回っているとの指摘があるうえ、廉価版は売れ行きが芳しくない。
ファンや業界関係者の間では、勢いを取り戻すには「アップルらしい独創的な新製品が必要」との声が強い。(ワシントン 柿内公輔)