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既成概念壊した新型「デミオ」 大きなクルマが豪華で価値があるわけじゃない!
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マツダの新型「デミオ」の後部 マツダは全面改良した小型車「デミオ」の予約受付を開始した。国内自動車メーカーの小型車で初めてディーゼルエンジン搭載車を用意し、燃費性能は1リットル当たり30.0キロと、ハイブリッド車(HV)や軽自動車を除くエンジン搭載車で国内トップを走る。小型車の既成概念を壊したという新型デミオの狙いや特徴を開発責任者の土井歩主査に聞いた。
--新型「デミオ」で狙ったことは
「まず、マツダのブランド構築だ。平成24年以降、『CX-5』『アテンザ』『アクセラ』と(独自の環境技術スカイアクティブを搭載した)新世代商品を送り出してきたが、デミオは第4弾。これで主力の4本柱がそろい、マツダブランドの基礎が固まった。(野生動物が走る動きを表現した)鼓動デザインでデミオを継承・進化させ、全長4メートルのコンパクトなボディーに凝縮させたところが腕の見せ所だった」
「ビジネス面では、デミオは国内の最量販車種。新生マツダを感じてもらうために重要なクルマとして顧客基盤を構築したい。また、デミオは過去3代とも常識を覆すことに挑戦してきた。4代目はクラス概念の打破、つまり大きなクルマだから豪華で価値があるというこれまでの既成概念を壊したかった」
--新開発の小型ディーゼルエンジンなど、走りの面ではどうか
「(他の新世代商品に搭載した)2200ccほどの爆発的な加速力はないが、コンパクトカーとしては群を抜いている。また、どこまでも走っていきたくなる長距離ドライブ性能に今回はこだわった。かつてのコンパクトカーは市街地走行がメーンで長距離は二の次だったが、新型デミオは大きなクルマからダウンサイズした人や、遠出してアウトレットに買い物に行く人にも満足してほしい。そのために、骨格を含めて部品をほとんど一から作り直した」
--ディーゼル車は燃費や価格面でハイブリッド車(HV)と対決することになる
「お客さまからみればHVと同じ価格帯で、対抗とみられるかと思うが、クルマとしてはまったく違う。HVは燃費を、われわれのスカイアクティブは走りを訴求している。実用燃費などのランニングコストでHVと対等に戦える能力も持つが、軸はそっちより運転の楽しさに置いている。ファッションの世界もいろんなメーカーが選択肢としてあるように、クルマの動力源も自分の特性に合わせた選択肢が増えていると理解してもらいたい」
--170万円台からの価格帯はディーゼル車としては安い。新型デミオでディーゼル市場がどのぐらい伸びると期待するか
「どのぐらい伸びるか予想するのは難しいが、海外のプレミアムブランドもいまでは日本向けにディーゼル車を投入している。バブル時代にはディーゼル市場が8%台あったが、それぐらいのシェアは出てくるかなと。原油からガソリンを精製する際に軽油も一緒にとれるが、使わずにどんどん輸出している。国内で消費されることが経済的にもリーズナブルだ」
--輸入車と比べたマツダのディーゼル車の強みは
「マツダのディーゼルエンジンの特徴は窒素酸化物を処理する後処理装置をつけずに、ポスト新長期規制やユーロ6などの排ガス規制に対応できる。欧州メーカーは後処理装置をつけなければいけないため、コスト的なアドバンテージがある。また、燃焼自体を画期的に改善しているため、燃費がいい。プレミアムブランドではないが、プレミアムブランドからもベンチマークの対象になっている。ただ、ディーゼルは欧州が本家本元であり、向こうも黙ってはいない。止まっているとすぐ追い越されるため、さらなる改善を進めていくことになる」(田辺裕晶)
新型デミオの価格はガソリン車が136万円からで、26日に発売。ディーゼル車は178万円からで、10月23日に発売する。月間販売目標は5000台を掲げており、半分はディーゼル車が占める見込みという。
昭和62年マツダ入社。技術研究所の車両研究担当を経て、初代デミオやRX-8、CX-9などの開発に携わり、平成26年2月から現職。49歳。