「ヴォーリズ建築」どう残す 耐震性の確保課題、岐路に立つ大阪の建物
更新外観は、中世のゴシック様式を復活させたネオ・ゴシック様式が基調となっている。内装(1階部分)は幾何学模様や直線を強調する1920~30年代流行のアール・デコの装飾で、心斎橋筋側入り口に掲げられたクジャク(ピーコック)の装飾が店舗のシンボルになっている。
昭和12年までに拡幅された御堂筋で、当時から残る建物は、ほかに日銀大阪支店や大阪ガスビルなどわずかしかない。
苦渋の決断
それだけに、大丸心斎橋店本館の建物の保存を求める声は強かったが、同店を運営するJ・フロントリテイリングは今年7月、建て替えを発表。年末にいったん閉館して来年から工事に入り、平成31年にリニューアルオープンする計画だ。
「ヴォーリズ建築の中で仕事することは従業員の誇り。できれば残したいが、今後50年、100年と長く地域でやっていくにはお客さまの安全が第一。(内装の)意匠などはできる限り残し、活用できるものは活用していく」






