「ヴォーリズ建築」どう残す 耐震性の確保課題、岐路に立つ大阪の建物
更新検討委は外壁保存を評価しながらも、「内装は昭和初期の商業文化を現代に伝えるもので、なかでも1階は意匠的評価が高い。今後の設計で空間保存を求めたい」と注文を付けた。
検討委メンバーの山形教授は「当時と同じ材質や技法を受け継ぎ、歴史性を感じられる特別な空間がブランドイメージにつながる」と強調する。
建て替え後は天井が高くなり、空間も広がるので柱の配置も変わるが、「現在の装飾的意匠を残した空間を再現できるよう、進んだ保存技術を発揮して取り組んでほしい」と話す。
街の歴史を次代に
一方、現在の店舗に子供のころから親しみ、ひときわ愛着を抱いている橋爪特別教授に聞くと、意外な答えが返ってきた。
「商業建築は時代に応じて機能も変わり、しばしば増改築される。老朽化すれば、建て替えられても不思議はない。どうしたら建物が魅力的になるかは、そのときのオーナーが判断すること」






