試乗インプレ

フランスの優等生は日本語が苦手? プジョー・308 GTi(後編)

 左側の車線に近づくよう意識して走ること小一時間。正直少し気疲れしたものの、徐々に慣れてきて、試乗が終わるころには不安はなくなっていた。

 左ハンドルならではのちょっとした失態はほかにも。シフトを動かそうとして左手をドアにぶつけたり、窓を閉めようとして右手でパーキングブレーキスイッチを引いてしまったりということがあった。クルマの運転操作がいかに反射的な動作の連続によって組み立てられているかが非常によくわかって、実に興味深かった。また、いろいろトチりながらも、右ハンドルの輸入車でお約束の「ウインカーを動かそうとしてワイパーが…」という操作間違いが一回もなかったのも面白かった。左ハンドルでウインカーレバーが左というのはやはり理にかなっているということか。

有料道路で現金払い どうするどうする?

 左ハンドルで有料道路を走ったのは初めてで、現金精算で料金を支払う時どうするんだろうという小さな不安があった。が、実際やってみると何のことはない、料金所の係員さんがブースから出てきてくれるので、右側の窓ごしに支払いができる。もちろんETCに対応した道路ならETC機器を装着すれば何の問題もない。

 欧州車の本国仕様は英国を除いて本来すべて左ハンドルである。エンジンやミッション、モーター、バッテリーなど重量物の搭載位置を含めて、すべて左ハンドルで最適なバランスになるように作られている。だから厳密に言えば欧州車の真価は左ハンドル仕様でしか味わえない。もっとも私のような素人では乗り比べてもその差異はわからないかもしれない。それでも本来あるべき仕様で乗れることは、クルマ好きにとって気持ちの上でも満足度が高いだろう。

 GTiは下位グレードの250も含め左ハンドルのマニュアル仕様しかないが、既に書いたようにマニュアルについては運転しにくさはまったくないし、左ハンドルについても丸一日も乗っていれば確実に慣れてくるので、購入を躊躇するほどの高いハードルではない。

1台で2通り楽しむならリーズナブル

 日本にも多くの車種が輸入されライバルの多い欧州Cセグの中の一車種として308を見た時、ベース車両のパッケージに不足はない。ドイツ勢とも十分戦える資質を持っているし、プジョーならではの持ち味もしっかりある。そのうえで現行市販FF最強のエンジンとサーキット志向のチューニングを施したGTiの価格は、今回試乗した上位グレードの270が436万円、下位グレードの250で385万円。この2車種でライバルであるルノー・メガーヌ RS、VW・ゴルフGTIの価格をまたぐような設定になっている。いずれも車格からすると安いとは言えない値段である。しかし公道で持て余すほどのポテンシャルをいつかサーキットで解き放ちたいと考えるユーザーであれば、リーズナブルと言えるかもしれない。サーキットでの奔放な走りと、サーキットまでの道のりの両方を1台のクルマで楽しめるのだから。(産経ニュース/SankeiBiz共同取材)

■基本スペック

プジョー 308 GTi 270 by プジョー・スポール 6MT

全長/全幅/全高(m) 4.26/1.805/1.455

ホイールベース 2.62m

車両重量 1,320kg

乗車定員 5名

エンジン DOHC直列4気筒ターボチャージャー付

総排気量 1.598L

駆動方式 前輪駆動

燃料タンク容量 66L

最高出力 200kW(270馬力)/6,000rpm

最大トルク 330N・m(33.7kgf・m)/1,900rpm

JC08モード燃費 15.5km/L

車両本体価格 436万円

■試乗車協力

ユーロモータース株式会社 /PEUGEOT 大阪中央

大阪府大阪市西区北堀江1-19-8

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