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円安株高、勢い増す「安倍相場」 株価1万1000円予想する強気の見方も

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円安株高、勢い増す「安倍相場」 株価1万1000円予想する強気の見方も

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1万円を回復した東京市場の終値を示す株価ボード=19日、東京・八重洲  26日発足する安倍晋三政権の経済政策への期待感から、衆院選前から続いてきた「安倍相場」が勢いを増している。

 19日の東京株式市場では、同日からの日銀の金融政策決定会合で、2%の物価上昇目標の導入に関する議論が進むとの観測などから、日経平均株価が大幅に上昇、終値は前日比237円39銭高の1万0160円40銭となり、8カ月半ぶりに1万円の大台を回復した。

 市場関係者の間では来年3月にかけて日経平均株価は1万1000円に達し、為替相場も1ドル=89円まで円安が進むとの強気の見方も出てきた。

 「非常に歓迎すべきことだ」。日経平均株価が1万円台を回復したことを、経済同友会の長谷川閑史代表幹事は高く評価する。野田佳彦首相が衆院解散を表明した11月14日以降、東京市場の円ドル相場は約4円50銭の円安となり、日経平均も約1500円上昇した。

 安倍氏は26日の政権発足を前に、早くも積極的な金融・財政政策の展開に布石を打っている。

 18日には、デフレ脱却に向けて日銀の白川方明総裁に、2%の物価上昇率目標を柱とする政策協定の締結を検討するよう要請。連立を組む公明党との党首会談では、大型の補正予算案を速やかに編成することで合意した。

 19日も日本商工会議所幹部との会談で、大胆な金融緩和策など自民党の経済政策について「衆院選で支持されたので強力に進めたい」と語った。

 自公が、参院で否決された法案を衆院で再可決できる議席数を確保したことを踏まえ、市場では「(金融緩和強化など)安倍政権による経済政策の転換が進む」(SMBC日興証券の阪上亮太チーフ株式ストラテジスト)と期待が高まっている。

 株高・円安の流れはしばらく続くとみる市場関係者も多い。野村証券の木下智夫チーフエコノミストは「自民党圧勝と来年4月に任期を終える日銀の白川総裁の後任選びで、為替相場も株式相場も来年3月末までは盛り上がる」と分析する。

 一方、減速状態が長引いている海外経済の行方などによっては、相場は株高、円安の一本調子ではいかないとの声もある。

 「欧州債務危機の再燃や中東での軍事衝突の可能性など、世界を見渡すとリスク要因は複数ある」(大和総研の熊谷亮丸チーフエコノミスト)ためだ。

 「必ず円安、株高にもっていきたい」。安倍氏はこう強調するが、政策実行が停滞すれば市場の期待は失望に変わり、株安・円高に一変する恐れもある。

 みずほ証券の山口正宏投資情報部アシスタントマネジャーは「安倍氏は政権公約に関して『できることしか書かない』と言った。(株高・円安の持続には)安倍政権が政策実行力をいかに発揮するかに尽きる」と指摘している。

 来年3月末までのエコノミストの株価・為替予測

     日経平均株価      ドル円相場(1ドル) ポイント

 ◇木下智夫・野村証券金融経済研究所チーフエコノミスト

     1万円~1万700円  85~78円     日銀総裁人事

 ◇熊谷亮丸・大和総研チーフエコノミスト

   9300円~1万800円  89~81円     財政規律の維持

 ◇阪上亮太・SMBC日興証券チーフ株式ストラテジスト

   9000円~1万1000円 86~80円     欧州債務問題

 ◇矢嶋康次・ニッセイ基礎研究所チーフエコノミスト

   8500円~1万1000円 87~80円     来年2月の伊総選挙

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