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長引くデフレから脱却なるか 2%物価目標【Q&A】

ニュースカテゴリ:政策・市況の国内

長引くデフレから脱却なるか 2%物価目標【Q&A】

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 日銀は21、22日に開く金融政策決定会合で、安倍晋三首相の再三の要請に応え、2%の物価目標の設定に結論を出す見通しだ。長引くデフレからの脱却がいよいよ実現するのか。Q&Aでまとめた。

 Q 大胆な金融緩和とは

 A 安倍首相の経済政策「アベノミクス」の3本の矢の一本。機動的な財政運営と民間投資を喚起する成長戦略との合わせ技で実施し、経済再生を目指す。

 Q 平成24年度補正予算案が15日に閣議決定される。次は金融政策の出番だ

 A 日銀は「2%の物価目標」の導入に踏み切っても、目標達成の具体的な期限は明示しない考え。安倍首相はあくまでも「中期」での達成を求めているが、市場関係者には「そもそも2%の目標設定自体に無理がある」という懐疑的な見方もある。

 Q どうして

 A 日本の消費者物価指数(CPI)は「1980年代後半のバブルの時期でも平均1.3%」(白川方明・日銀総裁)と米国などに比べて低いからだ。

 Q 金融緩和をもっと強化すれば

 A 日銀が昨年9月から12月に実施した追加緩和の規模とスピードは過去に例のない勢いだが、それでも物価上昇の兆しはない。「2%の物価目標」は、人々に物価が上昇するという「インフレ期待」を盛り上げようというカンフル剤の役目だ。

 Q うまくいくのか

 A 「物価目標」を導入する前から株価は上昇傾向にある。これは「資産インフレ期待の高まり」とみる専門家もいる。また、今以上に円安が進めば、輸入に頼るエネルギーや素材の価格が上がり、最終製品への価格転嫁でCPIが上昇するシナリオもある。

 Q その他には

 A 日銀は米連邦準備制度理事会(FRB)が実施する「無制限緩和」も議論する。購入した国債が償還を迎えても、国債保有残高が減らないよう、同額分を買い直すことを示す案などがある。より残存期間の長い国債や株式、CP(コマーシャルペーパー)、REIT(不動産投資信託)など、リスク性資産の購入拡大も検討する。

 Q 大胆な金融緩和にリスクはないか

 A 日銀の国債買い取りが、政府の財政の穴埋めと市場に判断され、国債の売りが加速し、長期金利が上昇(国債価格は下落)する懸念もある。政府・日銀の責任は重い。

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