ニュースカテゴリ:政策・市況
海外情勢
英名物「ブラックキャブ」 中国企業が買収…その真の狙いは何?
更新
ロンドンのタクシー「ブラックキャブ」=昨年7月(門井聡撮影) 【ロンドン=内藤泰朗】英国名物の黒塗りタクシー「ブラックキャブ」を製造し、昨年秋に経営破綻した英マンガニーズ・ブロンズ社を中国自動車大手、吉利汽車が買収することになった。将来性がない英自動車メーカーを買収した中国企業の真の狙いは何かが最大の関心事になっている。
吉利汽車は1日、マンガニーズ・ブロンズ社の買収で同社管財人と合意したと発表した。それによると、買収額は1100万ポンド(約16億円)。吉利汽車が新たに英子会社を設立し、マンガニーズ・ブロンズ社を買収。英中部の同社工場での車両製造は継続し、輸出にも力を入れていくとしている。ロンドンのジョンソン市長は同日、買収を歓迎した。
1899年創設の伝統あるマンガニーズ・ブロンズ社は1948年から「ブラックキャブ」の製造を開始し、年間平均2700台、累計で10万台以上を製造。「ブラックキャブ」はロンドンのタクシーの代名詞にもなってきた。
吉利汽車は2006年にマンガニーズ・ブロンズ社に出資。株式の23%を買収して経営に参画したが、翌07年から同社は赤字経営を続けている。昨年には、中国で製造した部品に問題があったことから大規模リコール(回収、無償修理)が発生し、資金繰りが行き詰まっていた。
しかも日本やドイツの企業もタクシー製造ビジネスに参入し競争が激化しており、同社の先行きは明るくない。
専門家たちは長く続く英国の伝統的な企業体質を変えることは困難だとして、中国企業の狙いは有名な英国ブランドを買収して企業イメージを向上させることにあるのではないか-との見方を示している。