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「アベノミクス」高まる日本の存在感 榊原英資氏「新政権アピールの絶好機」
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榊原英資、インド経済研究所所長(青山学院大学教授) 今月15、16日の20カ国・地域(G20)財務相・中央銀行総裁会議では「アベノミクス」を掲げた日本の存在感が高まりそうだ。元財務官の榊原英資・青山学院大学教授に、G20での日本の役割について聞いた。
--久しぶりに日本に対する関心が高まっている
「大胆な金融緩和、機動的な財政政策、民間の活力を生かす成長戦略という『三本の矢』を矢継ぎ早に打ち出した安倍政権には海外も注目している。“日本復活”のムードは海外でも出来つつあり、新政権をアピールする絶好の機会になる」
--どんな発信が必要か
「アベノミクスで日本がどう変わるのかを説明し、世界経済の回復をサポートする姿勢を示すべきだ。国内総生産(GDP)に占める政府債務残高が世界一である国の財政をどう立て直すのか、中長期的なプログラムを示すことも必要だ」
--政府と日銀の関係は海外でも注目されている
「政府と日銀が金融政策でコミュニケーションを深めるのは当然だ。一方で、政治が日銀法改正などに言及し、日銀に政策変更を迫る手法については、海外の中央銀行は違和感があると思う。日銀の独立性を維持する姿勢を国際社会にしっかり説明すべきだ」
--G20での日本の役割は
「世界の諸問題は先進国だけでは解決できない時代。日本は経済的に中国と東南アジアと緊密な一方、米国とは同盟関係にあり、工夫次第では存在感を発揮できる。課題解決に向けて、欧米とアジアの橋渡しになる活動を意識することが大事だ」