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円安・株高、一本調子どこまで続く 「アベノミクス」に期待高まる
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6日の東京株式市場の日経平均株価は、2010年4月につけたリーマン・ショック後の高値を更新した。前日に日銀の白川方明総裁が任期満了前の辞任を表明したことを受け、次期総裁による一段の金融緩和への期待が高まり、東京市場の円相場が一時、1ドル=94円台に急落。円安の進行で、企業業績の改善がさらに進むとの見方から、幅広い銘柄が買われた。
平均株価の終値は前日比416円83銭高の1万1463円75銭となり、08年9月下旬以来、約4年4カ月ぶりの高値水準となった。
今後は、大胆な金融緩和などを柱とした「アベノミクス」への期待から、昨年11月中旬を起点にほぼ一本調子で続いてきた円安・株高がどこまで続くかが焦点。市場では、7月の参院選を前に1万3000円台をつけるという予想が支配的だ。
4人の市場関係者に聞くと、平均株価が7月までに現在の水準から下がるという答えはなく、1万2500~1万3000円まで上昇するとの見方で一致した。前提となる外国為替市場の円相場でも、円安がさらに進み、2人が1ドル=105円をつけると回答した。
株高局面が当面続くとの予想の根拠には「参院選まで安倍政権は、全力で景気の高揚感を上げてくるだろう」(マネックス証券の広木隆チーフ・ストラテジスト)という見方があるからだ。円相場についても、「当面は日銀新総裁の人事と、新総裁による一層の金融緩和期待から、円安方向の圧力が働きやすい」(野村証券の伊藤高志エクイティ・マーケット・ストラテジスト)との指摘がある。
株価が一段高となる条件について、ニッセイ基礎研究所の櫨浩一専務理事は「円安による株価押し上げにも限界があり、安倍政権が明確な成長戦略を打ち出せるかが鍵だ」と指摘している。
株高が続くには海外要因も重要だ。米国のダウ工業株30種平均が、史上最高値をうかがうほど上昇していることも、日本株を下支えしているが、SMBC日興証券の末沢豪謙チーフ債券ストラテジストは「米株が最高値を更新すれば、日本株にも大きなインパクトがあるだろう」とみる。
一方で末沢氏は「3月の全人代(全国人民代表大会)を経て、対日強硬策が進む可能性がある」と、5日に明らかになった中国船によるレーダー照射事件を受けた日中関係の緊迫化を懸念している。
日経平均株価 円相場(対ドル)
熊谷亮丸・大和総研チー 現在値~ 現在値~
フエコノミスト 1万2500円 90円台後半
櫨浩一・ニッセイ基礎研 1万1000円~ 現在値~
究所専務理事 1万3000円 105円
芳賀沼千里・三菱UFJ 現在値~ 88~
モルガン・スタンレー証 1万3000円 100円
兼チーフストラテジスト
広木隆・マネックス証券 現在値~ 現在値~
チーフ・ストラテジスト 1万3000円 105円