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インドネシアはユニクロの「重要な戦略国」 H&Mも上陸、外資アパレル競争激化
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インドネシアで中間所得層が厚みを増し、近代的な外資のファストファッションへの需要が高まっている。もともと繊維産業が盛んだったインドネシアでは、安価な国産品が手に入りやすかった上、近年はより低価格の中国製品が氾濫していた。しかし、所得水準の上昇に伴い、手頃な価格ながらもよりファッショナブルで品質も保証された外国ブランドへのシフトが徐々に進んでいる。
スウェーデンのH&Mは、来年にも店舗面積4000平方メートルのインドネシア第1号店をジャカルタ中心部のショッピングモールにオープンすることを発表。日本のユニクロも進出を決め、アパレル業界の競争は一段と激しさを増している。
ユニクロの持ち株会社ファーストリテイリングは2月中旬、ジャカルタ中心部のショッピングモール「ロッテ・ショッピング・アベニュー」に1号店を設置すると発表した。
資本金10億円で、ファーストリテイリングが75%、三菱商事が25%を出資し、現地販売法人を3月にも立ち上げる。5、6月に予定される同モールの開業に合わせて店舗運営を開始する。
ジャカルタで行われた記者会見で、新会社の代表を務めるファーストリテイリングの大笘直樹グループ上席執行役員は、インドネシアのアパレル市場規模は2005年に93億ドルだったのが、10年に210億ドルに達し、15年には350億ドルまで伸びると説明。「極めて重要な戦略的な国」と述べ、ユニクロのアジア展開において、不可欠な市場であることを強調した。
第1号店の店舗面積は2680平方メートルで東南アジア最大級。2フロアを使い、紳士服と婦人服、子供服、ベビー服を約500種類扱う。通年・夏物を多めにそろえ、冬・秋物も投入する。価格はTシャツが5万9000ルピア(約580円)からとしている。
現状では、外資規制により2000平方メートル超の営業床面積が必要になる上、路面店という形態は普及していない。入居を希望するブランドも多く、ショッピングモールはどこも売り手市場となっていることから、店舗の確保が課題となっている。販売目標などを聞かれた大笘上席執行役員は「まだ1店舗も始まっていないので具体的には言えないが、できるだけ早くインドネシアでアパレル・チェーン・オペレーションを実現したいと思っている」とだけ答え、苦労をにじませた。
ジャカルタのショッピングモールに足を踏み入れると、米のGAPやフォーエバー21、スペインのZARA、英トップショップなどファストファッションのテナントが競い合うように並ぶ。
今後も中間層の増加が続き、市場規模の拡大が見込まれながらも、日本を上回る激戦区ともいえるジャカルタで、他のファストファッション・ブランドとの差別化をどのように図っていくか。
新会社の最高執行責任者(COO)に就任予定の林泰寛氏は「ユニクロの商品は誰もが自分のスタイルと合わせられる基本的なもの。セグメント(顧客層)を分けないのがわれわれのスタイル」として、ベーシックな商品を提供していくコンセプトを伝えていくことが重要だと強調した。(インドネシア邦字紙「じゃかるた新聞」編集長 上野太郎)