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「TPPで競争力向上」6割 農業への打撃懸念も 120社アンケート
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日本が環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)に参加した場合、「国際的な競争力の向上に寄与する」と答えた企業は、全体の6割近くに達し、企業の期待の大きさがうかがわれた。参加懸念として「農業など国内産業への打撃」「例外扱い分野の増加」が拮抗(きっこう)し、関税撤廃に関する考え方が大きく分かれた。
競争力向上への寄与については、「大いに寄与」と「寄与する可能性がある」を合わせて55%だった。「悪影響がある」はゼロだった。その理由については「輸出する製品の価格競争力向上が期待される」(電機)、「インフラ輸出の国際競争力が増す」(機械)など、輸出に関するものが多かった。
一方で、「燃料費負担の軽減につながる可能性」(エネルギー)、「グローバルに良質な食材を安価で仕入れることができる」(外食)と、輸入コストの低減を指摘する声も多かった。国内事業を主力とする企業からも「日本経済にプラスに働けば、消費の活性化が見込まれる」(鉄道)という声があった。
TPPに期待すること(2つまでの複数回答)については、過半数の63社が「輸出促進」を挙げた。「世界と同一条件で競争していくための事業構築の一環」(鉄鋼)とのコメントがあった。
次いで多かったのは「規制緩和進展」で51社。「国内企業の海外市場への事業拡大や、内需産業のイノベーション促進による企業収益の拡大」(不動産)を期待する声があった。参加交渉に臨む政府に対して「日本が国際ルールの策定に主導的役割を果たすという意思を持って総力を挙げてほしい」(薬品)との注文もあった。
懸念することで、「農業等への打撃」と答えたのは39社。「その他」を選んだ企業からも「農業の構造改革が進められるのか」(電機)を注視する声があった。政府は、コメなどの重要5品目の関税維持を主張するが、すべてを守ることは難しいとの見方が出ている。
一方で、35社が「例外扱いの増加」に懸念を示した。これは、各国がそれぞれの重要品目の関税維持を主張すれば、レベルの高い自由貿易協定というTPPの意義を失いかねないことが背景にある。
すでに米国とは、日本から輸入する自動車の関税を当面維持することで合意しており、輸出企業を中心に不安が大きいようだ。企業からは「トータルで国益を損ねないよう取り組んでほしい」(薬品)と切実な声も上がった。