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日本経済、設備・公共投資の本格回復が鍵 アベノミクスで持続的景気回復
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4~6月期の国内総生産(GDP)速報値からも日本経済の改善基調が確認された。安倍晋三政権の経済政策「アベノミクス」による円安・株高で個人消費が持ち直し、地方にも消費を中心に景気改善の波がじわりと波及。政策効果で企業の設備投資と公共投資の本格的な回復を後押しできるかが持続的な景気回復に向けた鍵を握る。
「消費が先導するという極めていいパターンで(景気の持ち直しが)進んでいる」。甘利明経済再生担当相は12日の会見でGDPの6割を占める個人消費の回復ぶりにこう胸を張った。
全国百貨店の売上高は、5月が前年同月比2.6%増、株価の乱高下が激しかった6月も7.2%増とほぼ15年ぶりの高い伸び率を記録。昨年末からの株高に伴う「資産効果」で潤った富裕層が宝飾品や腕時計など高額ブランド品を買い求めた。さらに、衣料品や中元などギフトにも拡大。都内の百貨店では10万円前後のスーツを躊躇(ちゅうちょ)なく買い求める顧客の姿も目立ち「上質感を求め、少し高めの品にも消費が広がってきた」と日本百貨店協会の担当者は相好を崩す。
地方の消費の現場も久しぶりに明るさを取り戻しつつある。東京や福岡、名古屋など10大都市圏を除く地方8地区の6月の百貨店売上高はいずれも前年実績を超えた。
6月に7.3%増と地区別で最高の伸びとなった四国に店舗を構える伊予鉄高島屋(松山市)は「呉服、絵画やインテリア用品が好調」(担当者)と話す。中国地区の天満屋(岡山市)でも5月の母の日、6月の父の日関連のフェアで客単価が5%上昇するなど「所得は上がっていなくても、心理的な明るさが購買意欲につながってきた」(担当者)という。
「投資が力不足」。甘利氏は会見で、設備投資が伸び悩んでいる現状を認めた。円高が大幅に修正されたが、製造業は需要のある海外での地産地消を加速しており、“国内回帰”の動きは限定的だ。
このため、甘利氏は「(国内の)設備投資の回復を後押ししていくことが必要」と強調。設備投資の減価償却費を初年度に一括計上して税負担を減らす「即時償却」などの検討を急ぐ考えを示した。
公共投資は2012年度補正予算に伴う緊急経済対策の効果が顕在化し始めた。国土交通省の建設工事受注統計によると、6月の国・地方発注による公共工事は前年同月比13.6%増と3カ月連続で2桁の伸びを示した。
ただ、公共投資は工事完成後でないとGDPには計上されず、甘利氏は会見で「7~9月期に増える」との見通しを示した。