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韓国の労働人口高齢化 雇用ミスマッチ、成長鈍化を懸念

ニュースカテゴリ:政策・市況の海外情勢

韓国の労働人口高齢化 雇用ミスマッチ、成長鈍化を懸念

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 韓国で労働人口の高齢化が進んでいる。韓国統計庁によると、2012年に同国の労働人口に占める15~29歳の若年層の割合は15.1%で、1983年の調査開始時の31.5%の半分以下となり、過去最低を更新。専門家は経済の活力が失われ、成長鈍化の原因になりかねないと懸念している。現地英字紙コリア・ヘラルドなどが報じた。

 韓国青少年政策研究院は、少子化と雇用のミスマッチが働く若年層減少の要因だと分析している。同国は出生率の低下が進み、総人口に占める15~29歳の割合が、1980年の30.4%から2010年には20.9%まで低下した。昨年の合計特殊出生率(女性1人が生涯に生む子供の数の平均値)は前年比で0.06ポイント改善したものの、1.3人と低水準が続いている。

 また、同国の大学進学率は約80%と世界でもトップレベルだが、大卒者が対象の求人が豊富でないことに加え、学生が就職活動時に待遇や仕事内容といった募集要件に納得できない雇用のミスマッチが生じている。

 同研究院は、留年して外国語の習得を目指すなど、就職準備で労働市場に参加しない学生が増加中だと指摘。抜本的な解決には社会構造の変化や労働市場の現状に合わせた学校教育の実施が必要だとしている。(ソウル支局)

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