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麻生氏と甘利氏、認識に違い 法人税率引き下げ、財政規律

ニュースカテゴリ:政策・市況の国内

麻生氏と甘利氏、認識に違い 法人税率引き下げ、財政規律

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 安倍晋三首相が消費税率引き上げ時の経済対策パッケージ策定を麻生太郎財務相と甘利明経済再生担当相に指示したが、両者の対策に対する認識などで違いが明確になってきた。

 両氏は法人税の実効税率引き下げの是非から違いをみせる。安倍首相は成長戦略で、主要国に比べ高い法人税の実効税率を引き下げ外資を呼び込み、日本経済を拡大させる方針を示している。甘利氏は13日の会見で、「法人税減税も含めていろいろなメニューがある。財政の対応可能性の中で、効果的な組み合わせを模索したい」と積極的に取り組む姿勢をみせた。

 これに対し、麻生氏は「企業の7割が(赤字で)法人税を払っていない。(減税しても)効果が極めて限られる」と述べ、改めて慎重姿勢を示した。さらに、法人税率1%の引き下げで税収が約4000億円減少することから「その穴埋めはどうするのか」と指摘する。

 財源についても不一致。麻生氏は「基本的に(新たに)国債を出さない方向で検討する」と財政規律の維持を強調。2012年度予算の剰余金、国債費の不要額などで2兆円強を用意。さらに景気回復による税収の上ぶれも期待できるからだ。

 甘利氏は「財政出動もあれば法人税の取り扱いなどもある。財務省とはずれを感じる」との認識を示し、大規模な経済対策に消極的な財務相を牽制(けんせい)する。

 規模については両氏とも言及を避けるが、自民党税制調査会の野田毅会長が「少なくとも5兆円程度というのは常識的」と語るなど5兆円規模が基準になりつつある。

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