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首相、中国に対抗「地球儀外交」 9日からアフリカへ 北欧・バルト、カリブ歴訪も検討
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安倍晋三首相は9~15日にコートジボワール、モザンビーク、エチオピアのアフリカ3カ国と中東のオマーンを訪問する。1月は数日おきに3回出国するほか、今年は北欧・バルトやカリブ諸国などの訪問も検討しており、「地球儀を俯(ふ)瞰(かん)する外交」を一層進化させる方針だ。
首相は昨年、25カ国を訪れたが、今年も毎月最低1回以上は外国を訪れ、各地で影響力を強める中国に対抗する考え。アフリカ歴訪後の21日からはスイスの世界経済フォーラム年次総会(ダボス会議)に出席、25日にはインドを訪問する。
首相は周囲に「平成26年は特にアフリカに力を入れたい」と話している。アフリカは天然資源に恵まれているほか、中国が経済支援を武器に影響力を強める地域でもある。首相はアフリカの他地域を複数回に分けて訪れることも検討する。
1月に訪れるアフリカ3カ国では、道路網などのインフラ整備に力を入れるため、政府開発援助(ODA)の増額を表明する。特にコートジボワールは内戦終結から3年が過ぎ、ようやく再建が軌道に乗り始めたところ。首相は同国を経由した周辺国からの鉱物輸入も視野に入れつつ、国の復興を支援する方針だ。
北欧・バルトも日本の首相が過去にほとんど訪れたことのない地域だ。ノルウェーやスウェーデンは1人あたりの名目国内総生産(GDP)が世界トップレベルで、国際的な発言力も強い。年内に北欧・バルト8カ国(NB8)関連会合があり、岸田文雄外相は昨年11月、NB8との外相級会合で招待を受けた。首相はここへの出席も検討している。
また今年はカリブ15カ国・地域によるカリブ共同体(CARICOM)と日本が事務レベル協議を始めて20周年となる「日カリブ交流年」。カリブ諸国で記念事業を行う計画もあり、外務省は首相出席の可能性を探っている。
一連の歴訪は、来年行われる国連安全保障理事会の非常任理事国選挙に向けた票固めの意味合いもある。
二国間関係では、ロシアとの北方領土交渉が最大の焦点だ。首相は2月、冬季五輪大会が開かれるロシア・ソチを訪れ、プーチン大統領に今秋の訪日を求める考えだ。首脳会談では、領土問題について、年内に一定の方向性を見いだすことを目標に話し合う。
焦点の中国・韓国への訪問は、昨年末の首相の靖国神社参拝で当面難しくなりそうだ。ただ首相は他の外国訪問を積み重ねることで、国際社会で中国に対抗しうる影響力確保に努める考え。その一環として、今年から2年程度をかけ第二次大戦末期に激戦地となった南太平洋の島国を歴訪することも計画している。(水内茂幸)