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オバマ大統領「国際金融のボス」を指名 FRB次期副議長

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オバマ大統領「国際金融のボス」を指名 FRB次期副議長

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 【ワシントン=柿内公輔】オバマ米大統領は10日、連邦準備制度理事会(FRB)の議長に来月就任するイエレン副議長の後任にイスラエル銀行(中央銀行)のスタンレー・フィッシャー前総裁(70)を指名した。上院の承認待ちだが、中銀総裁経験者が副議長に就くのは異例だ。

 マクロ経済学の権威で、米マサチューセッツ工科大(MIT)時代の教え子には、バーナンキFRB議長やドラギ欧州中央銀行総裁などそうそうたる顔ぶれが並ぶ。やはり「フィッシャー・スクール」門下生のサマーズ元米財務長官も「講義に感動して経済学者を志した」と恩師を仰ぎ見る。

 ただの学者ではない。国際通貨基金(IMF)副専務理事時代にはアジア通貨危機の収拾に奔走。中銀総裁を務めたイスラエルでも経済危機を乗り切る一方、「ゼロ金利でも中銀がやるべき仕事はある」とバーナンキ氏ら教え子を叱(しっ)咤(た)し、金融危機や欧州債務危機の沈静化に尽力した。「学識と経験」(オバマ大統領)が信望を集め、IMF幹部は畏敬の念を込めて「国際金融のボス」と呼ぶ。

 ザンビア生まれで、イスラエルと米国の市民権を持つ。化学者になりたかったが、ケインズの著書に感銘を受け経済学者を志した。趣味はジョギングでテルアビブの公園で汗を流す。

 秘蔵っ子のサマーズ氏と議長の座を争ったイエレン氏を補佐することになるが、量的金融緩和の縮小という重大局面で、「私の全能力をささげる」ときっぱり。「歴代で最も大物の副議長」(市場関係者)としてボスがひのき舞台に戻ってくる。

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