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【東電再建計画】政府、東電再建計画を認定 今年度中に4基再稼働が前提

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【東電再建計画】政府、東電再建計画を認定 今年度中に4基再稼働が前提

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東電の新総合特別事業計画ポイント  政府は15日、東京電力の新たな総合特別事業計画(再建計画)を認定した。計画では柏崎刈羽原子力発電所(新潟県)について平成26年度中に4基を再稼働させることを前提とし、火力発電用の燃料費を大幅に圧縮させて収益改善を目指すことが柱。東電は、新計画のもとで経営再建を軌道に乗せる考えだが、柏崎刈羽原発の再稼働が計画実現の鍵を握る。

 茂木敏充経済産業相は同日、東電の広瀬直己社長、原子力損害賠償支援機構の原田明夫運営委員長らと会談し、新計画の認定書を交付した。茂木氏は「新しい電気事業者として生まれ変わるとの気概を持って改革に取り組んでもらいたい」と述べた。

 計画では、今年7月以降に柏崎刈羽原発1、5、6、7号機が順次再稼働すると仮定した。再稼働が大幅に遅れた場合は、電気料金を最大10%値上げする可能性を示した。

 また、グループ全体で2千人規模の希望退職の実施など経営合理化を進める方針を明記。それにより今後10年間で累計4兆8千億円程度の経費を削減して収益力を高める。

 計画には、国と東電の役割分担を明確化して福島復興を加速させる方針を盛り込んだ。政府は、除染に伴って出る廃棄物を保管する中間貯蔵施設の建設・運営費を負担するとともに、原賠機構を通じて東電に貸し付ける交付国債の無利子融資枠を従来の5兆円から9兆円に拡大。東電は、原子力部門から廃炉事業を社内分社化した「廃炉カンパニー(仮称)」の創設などにより、事故処理に集中できる態勢を整える。

 東電は、24年に従来の再建計画の認定を受けたが、柏崎刈羽原発の再稼働が想定通りに進まず、大幅に見直しを加えた新たな計画を昨年12月に政府に申請していた。

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