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日本、TPP譲歩も、米なお立場崩さず 22日から閣僚会合
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環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)交渉で、日米両政府は、農産品重要5分野の関税をめぐる事務レベル協議を20日まで東京都内で続けたが、双方の溝は埋まらなかった。日本が低関税率の特別輸入枠の設定などの譲歩案で折り合おうとしたのに対し、米国は関税撤廃を強硬に主張。22日からシンガポールで始まる閣僚会合でも、ぎりぎりの交渉が予想される。
今回の事務レベル協議で最大の焦点になったのは、5分野の中でも特に米国が重視する牛肉・豚肉の関税の扱いだ。日本の譲歩案は現在38.5%の牛肉の関税率を大幅に引き下げる輸入枠の設定のほか、安い輸入豚肉にかかっている関税を引き下げることなどが柱。
これに対し、米国は10年以上の猶予期間を認めたうえで、最終的に関税を撤廃するよう求めたもようだ。
シンガポールでのTPP閣僚会合に先立ち、17日から開かれている首席交渉官会合の交渉も難航している。
閣僚会合の地ならしを目的に21日まで開催されるが、想定していた日程は「後ろ倒しとなっている」(TPP政府対策本部)。19日に議題となった「原産地規則」分野の議論は対象となる数千品目のルールのうち千を超える品目が「未解決」(同)という状況だ。
一方、TPP交渉に慎重な自民党の議員連盟「TPP交渉における国益を守り抜く会」(森山裕会長)は20日の総会で、重要5分野を関税撤廃の例外とする党方針を守ることを政府に求める決議を採択した。甘利明TPP担当相が米国に譲歩案を示す方針を示唆した発言に危機感を強めた党が政府を牽制した形だ。
全国農業協同組合中央会(JA全中)が同日、重要農産品の関税維持を求めるために開いた緊急集会でも、出席した自民党の石破茂幹事長は衆参両院の農水委での国会決議に触れ、「脱退も辞せずということは、遊びや冗談で書いているものではない」と述べ、関税で安易な譲歩をしないよう政府にくぎを刺した。
閣僚会合で妥協点が見出せたとしても、その後の国内調整は難航が必至だ。