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TPP決着見送りの公算 日米対立続き交渉全体の足かせ
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環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)交渉が正念場を迎えている。シンガポールで開かれている閣僚会合は24日、最終日を翌日に控え、関税協議でなお日本と米国のにらみ合いが続く。
甘利明TPP担当相と米通商代表部(USTR)のフロマン代表による22日の会談が平行線に終わったため、24日夕に再び会談を開催。日米の対立が解消されなければ、交渉全体の足を引っ張る恐れがある。
甘利氏は24日朝、フロマン氏との再会談について、「残された時間で日米の大枠について合意に向けて収斂(しゅうれん)するように全力で取り組みたい」と述べた。政府関係者の間では、今会合中での合意が実現できなかった場合、4月下旬のオバマ米大統領の来日までに会談の機会を設けて着地点を探る可能性も取り沙汰される。
日米の対立点は一貫して変わっていない。コメなど農産品の重要5分野の関税維持を目指す日本に対し、米国がほぼ全貿易品目の関税撤廃を求めて譲らないという構図だ。
背景には、両国の国内事情がある。オバマ政権は11月の中間選挙が迫る中、大きな政治的影響力を持つ業界団体の意向に配慮せざるを得なくなっている。22日には、全米豚肉生産者協議会など農業団体がフロマン氏に対し、日本の重要5分野の市場開放で「確かな結果」を求める書簡を送付。「オバマ政権の指導力が低下しているので、フロマン氏は業界団体の言いなりにならざるを得ない」(通商筋)との見方もある。
日本も「現在の譲歩案以上に譲れば、(高支持率を誇る)安倍晋三政権でも耐えられない」(政府高官)との声が上がる。TPP政府対策本部は23日、現地で開いた業界団体向けの説明会で、あくまでも5分野の関税維持を求めた国会決議を踏まえて交渉に臨んでいることを強調した。
交渉を主導する日米が折り合わなければ、他の難航分野で新興国が譲歩してこない側面もある。交渉の成否は日米がどう判断するかが大きな鍵を握っている。