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JA全中、担い手農家を理事に積極登用
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全国農業協同組合中央会(JA全中)は3日、食品メーカーや担い手農家の運営参画の促進や、輸出額を「10倍超」に引き上げることなどを重点施策とするJAグループの改革プランを正式決定した。政府が6月に策定する農業強化策への反映を目指す。だが、政府の規制改革会議(議長・岡素之住友商事相談役)が「脱農(業)化」と批判する金融事業の肥大化などには切り込まなかった。
改革プランは、政府の農政改革の方向に沿って、生産者が流通・販売まで携わる「6次産業化」や輸出拡大などを強く打ち出した。卸売り中心の販路を広げ、小売業などとの資本提携を促進。非農家の「准組合員」の対象に、農家と取引のある食品メーカーも加えて農協運営に参加できるようにする。
また、グループで販売を手掛ける全国農業協同組合連合会(JA全農)の年40億円弱の輸出額を平成32年に10倍超に引き上げる目標を掲げ、海外への和食や焼き肉店の展開を拡大する方針を示した。
脱農業化への批判を踏まえ、各農協の理事に生産団体代表などを積極的に登用し、担い手農家重視の姿勢も打ち出している。
JA全中の万歳章会長は同日の記者会見で「JAグループとしてやるべき取り組みを着実に、加速しながら進めていきたい」と述べた。
政府は昨年12月、農協の事業や組織のあり方を今年6月をめどに見直す方針を決定。規制改革会議や自民党が議論を進める中、JA全中は改革プランを示すことで牽制(けんせい)する思惑もあったとみられる。
だが、同会議が問題視する准組合員が正組合員を上回る現状に対し、改革策は組合員資格の抜本的な見直しなどに踏み込まなかった。約90兆円の金融資産を抱えるグループの金融事業などには「本末転倒」の批判も上がるが、大幅な組織改編も盛り込まれていない。改革プランは農業生産・所得の拡大という農協の原点を改めて強調したが、「農業者の経済的・社会的地位の向上」という農協法の目的の実現にはほど遠いのが実情だ。