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TPP日米協議、急転政治決断か 前進演出か

ニュースカテゴリ:政策・市況の国内

TPP日米協議、急転政治決断か 前進演出か

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東京都内のホテルで取材に応じるフロマン米通商代表(左)と、首相官邸を出る甘利TPP相=23日午後  24日の日米首脳会談では、両国首脳が環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)交渉をめぐる日米協議の対立点で大きく歩み寄る決断を下せるかが焦点になる。日米協議は日本の牛・豚肉など重要農産品5分野の関税の扱いや自動車分野で双方の溝が深く、主要論点で一致する「大筋合意」は困難な情勢。首脳の政治決断で事態が急転しなければ、交渉全体の早期妥結に向けた協議の進展を演出することになりそうだ。

 首脳会談に向けて、日米両政府は23日も、ぎりぎりの調整を続けた。同日午前にはオバマ米大統領に先立ち、米通商代表部(USTR)のフロマン代表が来日。午後に都内で甘利明TPP担当相と4時間半にわたり会談した。

 甘利氏は会談後、記者団に「(会談内容を)総理に報告した」と述べたが、内容は一切明らかにしなかった。フロマン氏は「TPPの経済的な重要性は明らかだ。交渉は重要な岐路に立っている」とし、「日本は大局的な観点に立つ必要がある」と譲歩を促した。

 一方、安倍晋三首相は23日の衆院農林水産委員会で、日米協議について「全て(の品目で)関税撤廃ではないという状況をつくりつつある」と説明。その上で「米側にもぜひ高い見地に立ってもらいたい」と一定の譲歩を求めた。

 日米協議は、日本の重要農産品5分野のうち、コメ、麦、砂糖は関税を維持する方向だが、牛・豚肉や乳製品のチーズについては米国が関税をなくすか、ゼロに近い水準まで大幅に引き下げるよう要求。日本は牛肉の関税(現行38・5%)を半分程度まで下げることで合意した日豪経済連携協定(EPA)を譲歩の目安としており、協議は難航してきた。

 TPP交渉参加12カ国のうち経済規模で8割を占める日米の対立は交渉全体の停滞要因となっており、日米協議の行方は他の参加国も注視している。日米協議が暗礁に乗り上げれば、交渉全体も“漂流”が避けられないだけに、両首脳は交渉加速に向け、どれだけ前向きなメッセージを打ち出せるかが問われる。

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