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マレーシア航空、赤字額60%拡大 墜落事故で中国人客減る

ニュースカテゴリ:政策・市況の海外情勢

マレーシア航空、赤字額60%拡大 墜落事故で中国人客減る

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 マレーシアのナショナルフラッグキャリア(国を代表する航空会社)、国営マレーシア航空の経営が悪化している。同社によると、今年1~3月期の最終赤字は4億4340万リンギット(約141億円)となり、前期の赤字額2億7900万リンギットから約60%拡大した。3月に発生した370便の墜落事故後の客数急減などが要因だ。同社の赤字は5期連続となる。現地紙ニュー・ストレーツ・タイムズなどが報じた。

 同期の売上高は36億リンギットで前期比4%増を維持したものの、客数増を見込んで輸送能力を2割程度増強していたため、1座席当たりの売り上げが0.225リンギットで前期比9%減となった。また、燃料費は1バレル当たり128ドル(約1万3000円)と前年平均の同134ドルを下回ったものの、使用量が11%増加したために効果は限定的だった。

 客数の減少が最も深刻なのは中国人利用客だ。墜落した370便の乗客239人の大半が中国人だったことから、事故発生以降に同国から予約のキャンセルが相次ぎ、3月は中国での売り上げが前年同月比60%減という。

 ほかにもアジア路線を中心に客数は減少しており、4月の搭乗率が74.1%と昨年1月に記録した過去最低の73.9%に迫るなど、回復の兆しはみえていない。

 同社のジャウハリ最高経営責任者(CEO)は「年が変わって利益が減少するのは例年どおりで、季節要因だ」と述べ、安全運航を徹底して信頼回復を図るとともに、コスト削減を一層進めて利益回復に努める意向を示した。

 地場大手銀のメイバンク幹部が「このままでは1年半ともたない」と述べるなど、民営化論や倒産説も浮上するなか、マレーシア航空は経営戦略の抜本的な見直しで危機脱出を図る。

 現地紙スターによると、新経営戦略の内容は未公表だが、路線縮小や人員削減、整備部門の独立など、大きな改革になると予想する声もある。

 ただし、労働組合が早くも人員削減に反対する構えをみせるなど抵抗も予想され、痛みのともなう改革を実行できるかは未知数だ。また、フセイン運輸相が政府による資金面での救済を「あり得ない」と強く否定するなど行政からの風当たりも強い。

 事故からの信頼回復を果たして経営を安定させ、「長期的な存続」を実現できるか、経営陣の手腕が問われている。(シンガポール支局)

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