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マレーシア航空再建策に注目 赤字合計1496億円、体質に懐疑的意見
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マレーシアを代表する航空会社、国営マレーシア航空の完全国有化が発表され、話題を呼んでいる。過去3年で合計約46億リンギット(約1496億円)の赤字を出すなど苦しい経営を続ける同社の再建を実現できるのか、取引企業などへの影響も含めて注目が集まる。現地英字紙スターなどが報じた。
今月、同国の政府系投資会社でマレーシア航空の約70%の株式を所有する最大株主のカザナ・ナショナルは、マレーシア航空の残りの全株式を買い取って完全国有化すると発表した。買い取りに要する費用は約14億リンギットとなる見通しだ。カザナは上場廃止によって再編が容易になるとし、今月末までに再建策を発表するとしている。
ただ、マレーシア航空の再建をめぐっては懐疑的な意見もある。同社は今年3月にMH370便が行方不明となったのに続き、7月にはウクライナ上空でMH17便が撃墜される事件が発生した。両事件は経営の痛手となったが、同社の経営悪化はこれより前から続いていた。
同社は過去12年間で6度の経営再建策が講じられ、5度の経営陣交代が行われているが、いずれも成果が上がらず、結果として累積債務は115億リンギットに達している。体質的な問題は根深く、労働組合などの抵抗も強いため、再編は容易ではないとする意見も多い。
また、シンガポールの専門家は「世界的にみて国は航空会社の経営から手を引く傾向にある」と述べ、国有化で同社の再編が成功するかどうかは疑問だとの考えを示した。
さらに、マレーシア航空の再建策が大幅な路線削減などを含むものであった場合、利用者が減少するマレーシア空港公社や、マレーシア航空の機内食の75%を納入するブラヒムズ・ホールディングス、燃料販売でマレーシア航空を最大の顧客とするペトロナス・ダガンガンなどの業績に影響が出るとの見方が出ている。
思い切った民営化に踏み込むという見方や、3割程度の大規模な人員削減もありうるとの見方も出ており、マレーシア航空をめぐる議論は今後も続いていきそうだ。(シンガポール支局)