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日本メーカー躍動 インドネシアで一眼レフ人気 デジカメ市場、販売拡大
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盆踊りを一眼レフデジカメで撮影するOLのノフィさん(30)。「きれいに撮ってインターネットの交流サイトに載せるのが楽しい」と目を輝かせながらファインダーをのぞいた=中央ジャカルタ・スナヤン(横山裕一撮影) 宵闇(よいやみ)に映える赤提灯(ちょうちん)のもと、在留日本人とインドネシア人たちが盆踊りを楽しんだ。9月下旬、日イ交流イベント「ジャカルタ日本祭り」が開かれ、最終日の盆踊りでは大勢のインドネシア人の参加者が踊るかたわら、一眼レフデジタルカメラで記念撮影をする人が数多く見受けられた。特に女性が目立つ。エカさん(22)は「一眼レフの方がきれいに撮れていいでしょ」と熱心にシャッターを切っていた。
インドネシア人は日本人と同様に写真撮影が好きだ。日本人が携帯電話で手軽に撮る場面でも一眼レフデジカメを使用する人が多い。ショッピングモールで買い物をする家族連れや食事をする友達同士など、ちょっとした外出先の記念撮影も一眼レフを使う姿をよく目にする。高画質で撮影でき、凝り性で器用なインドネシア人の気質に合うのが人気の背景にあるようだ。
現地紙リパブリカによると、昨年のインドネシアでのデジタルカメラ販売台数は130万台。このうち一眼レフは33万台で約25%だった。高性能カメラを搭載した携帯電話の普及でコンパクトデジカメの販売が減少傾向にあるため、今年のデジカメ販売台数は120万台と減少が予想されているが、一眼レフの販売台数は35万台と着実な成長が見込まれている。
こうしたなか、インドネシアのデジカメ市場で各日本メーカーもしのぎを削っている。最大シェアを占めるキヤノンは昨年、一眼レフの60%に上る19万8000台を販売。今年は22万台を目標に力を入れている。
ニコンは昨年、現地法人を立ち上げて事業を本格的に展開し、販売強化とアフターサービスの充実を図っている。一眼レフをはじめとしたインドネシアでのデジカメ市場が「さらなる拡大を期待できる」との判断からだ。
富士フイルムは、市場に密着したマーケティング強化のために現地法人を3年前に設置した。販路とシェアを拡大するとともに中高生を対象にした写真教室を開いてユーザー層の拡大を狙う。
日本メーカーのこうした動きは、急増する中間層をターゲットとした需要増を見込んでいるからだ。
ジャカルタ中心部から周辺部にかけてのショッピングモールの急増もあり、デジカメ販売店は首都圏で現在1000軒以上といわれている。南ジャカルタのクマンにあるカメラ専門店「ジャカルタ・フォトグラフィ・センター」では週末だけでなく、平日でも客足が絶えることなくにぎわっている。豊富な品ぞろえに加えて、カメラに詳しい店員が充実していることも人気の秘密だ。
セールス担当のマリアさんによると、一眼レフはキヤノンとニコンの35万円台のハイレベルな機種が最近はよく売れている。一眼レフに比べて小型で軽量なミラーレスも人気があり、富士フイルムとソニーの20万円台の製品が人気を二分し、オリンパスが追随しているもよう。
一方、低価格帯の一眼レフの売れ行きも堅調に伸びている。一眼レフの人気の理由についてマリアさんは「数年前まで最低で10万円近くした一眼レフが、現在は4万円台まで下がってきて、コンパクトカメラの高価格帯と変わらなくなってきたから、より高性能な一眼レフを選ぶのよ。コンパクトカメラの代わりとして携帯電話があるしね」と説明し、一眼レフの低価格化と高性能カメラを搭載した携帯電話の普及が人気の理由と分析する。
消費者の本物志向の上昇と日本メーカーの販売強化で、インドネシアの一眼レフカメラ人気はさらに高まっていきそうだ。(在インドネシア・フリーライター 横山裕一)