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日米vs中国、APECの舞台裏で「自由貿易圏」の主導権争う

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日米vs中国、APECの舞台裏で「自由貿易圏」の主導権争う

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 アジア太平洋経済協力会議(APEC)が7日、中国・北京で開幕したが、その舞台裏では域内の自由貿易圏の構築をめぐって、日米と中国が激しい主導権争いを繰り広げている。

 「中国はどうしてもTPP(環太平洋戦略的経済連携協定)の対抗軸がほしいようだ」

 日本の通商筋はこう指摘し、眉をひそめる。

 中国は今回のAPECの議長国として、首脳宣言にアジア太平洋自由貿易圏(FTAAP)構想の実現目標を「2025年」と具体的に設定するよう画策。TPPに参加していない中国はこれまで、日中韓と東南アジア諸国連合(ASEAN)など計16カ国による東アジア包括的経済連携(RCEP)をTPPの対抗軸と位置づけていたが、RCEP交渉はインドが貿易自由化に慎重姿勢を示し難航している。

 このため、インドが参加しないAPEC21カ国によるFTAAPをテコに、自由貿易圏作りの主導権を奪う戦略とみられる。

 これに対し、日米もFTAAPの促進には賛意を示すものの、まずはTPPで可能な限り先進的な通商秩序を構築し、これをAPEC参加国内に広げる形でFTAAPを実現するシナリオを描いている。

 ただ、FTAAPをめぐっては、ロシアが中国に同調する姿勢をみせている。

 プーチン大統領は6日までに、「米国が自分の利益になる地域経済の協力体制をつくろうとしている」と述べ、米主導で進むアジア太平洋地域の通商ルールづくりを牽制(けんせい)。さらに、地域の主要国である中国とロシアの参加なしでは「効果的な貿易経済関係はまず築けないだろう」とし、中国とともにFTAAPを推進する意向を示唆した。

 結局、FTAAP実現目標の具体的な時期設定は、日米が難色を示し、首脳宣言には盛り込まれない方向となった。代わりに宣言にはFTAAPの事前研究を16年末までに終えることを明記する見通しだ。

 一方、今回の北京APECにあわせて、8日にTPPに関する閣僚会合が予定されている。しかし、TPP交渉は、日本の重要農産品の関税をめぐる日米協議の決着がつかず、年内の大筋合意は困難との見方が強いままだ。8日の閣僚会合も不調に終われば、自由貿易圏構築の主導権争いで日米の旗色が悪くなる事態も想定される。(北京 本田誠)

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