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岸田外相、日韓外相と会談 首脳会談へ「地ならし」 APECでの実現 中国なお前提条件

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岸田外相、日韓外相と会談 首脳会談へ「地ならし」 APECでの実現 中国なお前提条件

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米ニューヨークの国連本部で、会談に臨む岸田文雄外相(左)と韓国の尹炳世(ユン・ビョンセ)外相=2014年9月25日(代表撮影・共同)  岸田文雄外相(57)は25日夜(日本時間26日午前)、滞在先の米ニューヨーク市内で、中国の王毅(おう・き)外相(60)と会談した。両氏の会談は8月にミャンマーのネピドーで行われて以来。11月に北京で開かれるアジア太平洋経済協力会議(APEC)首脳会議に合わせた安倍晋三首相(60)と習近平国家主席(61)との首脳会談が議題になったとみられるが、岸田氏は記者団に「何も決まっていない」と述べるにとどめた。

 岸田氏は、王氏との会談について「当面の日中関係や問題について率直で真摯(しんし)な意見交換ができた」と説明したが、具体的な内容には言及しなかった。会談は事前には公表されず、中国外務省は「非公式に会見した」と発表した。

 安倍首相は習氏との首脳会談開催を呼びかけており、岸田氏は王氏に協力を要請したとみられる。

 日中両国は24日、「高級事務レベル海洋協議」を中国・青島市で開き、両国間の海上連絡体制の早期運用開始への協議再開で大筋で一致しており、今後の協議の進め方についても議題になったとみられる。

 一方、岸田氏は25日夜(日本時間26日午前)、韓国の尹炳世(ユン・ビョンセ)外相(61)とも会談し、両氏は日韓首脳会談実現に向けて対話を継続することで一致した。岸田氏は会談後、記者団に「高い政治レベルの意思疎通を継続し、深化させる重要性を改めて確認した。来年の日韓国交正常化50周年を良い雰囲気で迎えるべく、互いに努力していく」と述べた。

 岸田氏は、慰安婦募集の強制性を認めた河野洋平官房長官談話を継承する考えを説明したが、尹氏は日本政府による謝罪などを要求した。岸田氏は、東京電力福島第1原発事故を理由にした日本の農水産物の輸入規制に関して見直しを求めた。(ニューヨーク 峯匡孝/SANKEI EXPRESS

 ≪APECでの実現 中国なお前提条件≫

 日中外相会談がニューヨークの場で、先月に続いて実現した。両国間の対話は徐々に増え、日中関係は改善へ進んでいるようにもみえる。しかし、安倍晋三首相が目指すアジア太平洋経済協力会議(APEC)首脳会議での日中首脳会談の実現は、中国が歴史認識や尖閣諸島(沖縄県石垣市)での日本側の譲歩を「前提条件」にしているため、なお不透明だ。

 25日の日中外相会談に引き続き、26日夜には都内のホテルで自民党の谷垣禎一(さだかず)幹事長(69)と中国の程永華(てい・えいか)・駐日大使(60)が会食した。谷垣氏と程氏は懇意の間柄で、二階俊博総務会長(75)らが検討しているAPEC前の訪中に関しても意見交換が行われたとみられる。

 また、谷垣氏は26日、24日から北京を訪問し、中国共産党の対外連絡部幹部と面会した三ツ矢憲生(のりお)前外務副大臣(63)から報告を受けた。

 しかし、内容は厳しいものだった。

 報告によると、三ツ矢氏は白紙状態での日中首脳会談開催の重要性を訴えた。中国側は歴史認識と尖閣諸島の問題を持ち出して「白紙というが実は落書きされている」と答え、首脳会談に後ろ向きだった。

 谷垣氏は「中国はやっぱり硬いな…」と漏らしたという。中国側はこれまで、安倍首相の靖国神社への「不参拝宣言」と、尖閣諸島の「領土問題化」を首脳会談実現の前提条件としてきた。24日には、汪洋(おう・よう)副首相(59)が日中経済協会の訪中団に対し同様の見解を伝えた。

 菅義偉(すが・よしひで)官房長官(65)は26日午後の記者会見で、今回の日中外相会談に関し、「率直に意見交換されたとの報告を受けている」と述べ、双方がこれまでの主張を言い合ったことを示唆した。その上で「日中は隣国であるがゆえに、さまざまな難しい問題があるが、前提条件をつけずに両首脳が胸襟を開いて会談したことは極めて大事だ」と述べた。外務省幹部も26日、「条件を付けて対話に臨むことはあり得ない」と断言した。

 APECが約1カ月半後に迫る中、ホスト国の中国が追い詰められているとの見方もできる。安倍首相が公の場で習氏との会談を呼びかけているにもかかわらず、中国が無視して日本との首脳会談に応じなければ、国際社会から批判される可能性は高い。

 一方、日韓外相会談では安倍首相と韓国の朴槿恵(パク・クネ)大統領(62)との会談実現に向け、対話を続ける方針が確認された。日中と同様、先月に続き2度目となる。

 日韓間の最大の懸案は慰安婦問題だが、こちらも安倍政権の姿勢は鮮明だ。首脳会談の開催に向け、改めて謝罪など「誠意ある対応」を求める韓国側に対し、日本側は「解決済み」との立場を堅持している。

 ただ、韓国側は最近、東京電力福島第1原発事故を理由にした日本産農産品の輸入規制の是非について検討に入るなど軟化姿勢を見せ始めた。日韓外交筋は「韓国は日中関係の進展に神経質になっている」と指摘する。(山本雄史/SANKEI EXPRESS

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